涙雨 (ページ5)

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それから1週間ほど経った頃、またあの男性が来店した。

あの雨の日からふとしたときに男性のことを考えていて、そんなことは初めてだったからどうすればいいかわからなくて。

仕事にもあまり集中できなかった。

あの人はまた来てくれるだろうか。
本を読み終わったら来るのかな、でも絶対に来るとは限らないし。

諦めかけていたところに男性が来てくれたから。
柄にもなく気分が上がった。

「いらっしゃいませ。」

「あ！この前はありがとうございました！
とっても良かったですあの本。」

「本当ですか！気に入って頂けてうれしいです。
頑張って選んだ甲斐がありました。」

「また新しい本を選んでもらおうかと思って来たんですけど、、頼んでもいいですか？」

「もちろんです！
じゃあ今回は一緒に選びませんか？お話しながら何冊か決めましょうよ。」

「いいですね！なんだか楽しくなってきました笑」

「僕もです笑」

なんでだろう、人見知りなはずなのにこの人とはなぜかもっと話したいと思った。

もっと知りたい、たくさん。