涙雨 (ページ17)

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お店は北山さんに任せてある。

今日はこの前のお礼だから全部俺にさせてください、って。

「わあ、いい雰囲気。」

「でしょ。ここ何度か来てるんですけどすっごいいいお店なんです。」

北山さんに連れられてきたのは居酒屋。
居酒屋っぽくない居酒屋って感じでとってもいい。

個室に通してもらって向かい合って座る。

「藤ヶ谷さん何飲みます？」

「ウーロンハイで。」

「じゃあ俺はビール。」

店員さんに飲み物や食べ物を注文してしばし雑談。

「藤ヶ谷さんってお酒得意ですか？」

「ん、あんまり得意じゃないですかね。すぐ酔っちゃうんで。
北山さん得意そうですよね。」

「まあまあって感じですかね、仕事の付き合いとかもあるんでそれで鍛えられました笑」

注文したものが運ばれてきたので2人で乾杯することに。

「おいし～」

「このお肉おいしいですよ。」

北山さんとの食事は楽しくて。
いつもはあまり飲まないお酒も進んできた。

酔ってもしぽろっと北山さんへの気持ち言っちゃったりしたら終わりだ。

少しずつ、あんまり飲まないように。

そんな誓いも虚しく俺はどんどん酔っていく。