六十六話 ページ17
隣で平然と食べさせられていた姫を見ながら私はスプーンを落としかけた。
こんなにもさらっとできるものなのか。
もう付き合っていたのかとぐるぐる疑問が頭をめぐる。
「…そらるさんずるいです」
「はぁ…?」
「僕も食べさせたいです!」
「は?美蘭に食べさせるのは俺だけでいーの」
急に変な争いが始まり、私はそれを無視して辛いものを食べる。
うまい。
「何いってんですか…!僕は水蓮さんにですっ」
『んぐっ…!』
衝撃(?)の一言により、食べていたものが変なとこに入りかけた。
姫が拭くものをくれたので口を拭う。
『わ…私にしたいのか…?』
「は…はい…」
『…まぁいいわ…そっちも食いたいし…』
「へっ…?!いいんですか…?」
『ああ』
そう言うと愛らしい笑みを浮かべて食べ物を私の口元に運んでくる。
私はその手首を掴んで食べた。
ふむ…これもまたうまい…。
「はわっ…」
食べ物を飲み込んでまふまふを見ると何故か真っ赤。
何なのかよくわからない。
「何か…思ってたのと違います…」
「…はは…」
『??』
「僕のほうがもっとかっこよくさらってするつもりだったのにぃっ…!」
『はぁ…?』
やはり人間は理解できない。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年12月26日 15時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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