検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,748 hit
この作品はテンプレートです。
この作品をベースに新しく作品が作れます
(作成はこちら)
尚、この作品で遊ぶ事は可能ですが、
内容が未完成の場合があります。
この作品から派生した作品リストはこちら

ページ5

ふと、猫の鳴き声が聞こえた気がして振り返る。

みゃあ、と鳴く声の主は、三毛猫のミケだ。


塀の上から降りて来て、足に頭を擦り付けるミケに思わず口角が上がる。

「可愛いねぇ、お前は。」

ちょいちょいと撫でてやれば、通学鞄の上に乗っかって尻尾を揺らす、ミケ。


こらこら、と下ろそうとすれば、ふわふわの肉球の下に、鋭い爪が見えた。

下ろすのは、辞めておこうか。









ミケを連れたまま、最寄り駅まで歩く。

そろそろ降りな、とミケに催促するがいやいや、と首を振られてしまう。

ため息を吐いて、仕方なくそのまま改札口を通り、ホームに向かった。


危害を加えなきゃ、まぁ、大丈夫かな。

と考え、ホームに向かう為の階段をあがり________否、あがろうとした。



「えー、ねぇそれマジー?」

「マジマジー!ヤバくない!?」

「やばー!」



甲高い、声。

上を見上げれば、茶色に染まった髪と膝上丈のスカート。

背中を冷や汗が流れ落ちた。


また、演じなくてはいけないのだろうか。

もう、疲れたのに。



震える手を見たのか、ミケが心配そうにみゃお、と鳴いた。

大丈夫だよ、と柔らかい毛を撫でてやる。


今日は違う電車で行こう、と違うホームに向かった。

「…行こっか、ミケ。」

みゃう


青が見たい、と脳が騒ぐ。

海にでも、行きたいな。なんて思ってしまう。





そこで、朝の手紙が思い起こされた。


どうせ、120時間で終わってしまうなら、無理に演じる必要なんて、無いじゃないか。




「…ミケ。」

みゃお

「海、行こっか。」

みゃうぅ






向かう筈だったホーム側から、ローファーの爪先をくるり、と一回転。



私は、近場の海に続く電車が出るホームへと歩き出した。

どうせ、絵梨しか見てないんだから、私の事をお母さんだって見てないでしょう?



「…なら、良いよね。」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:キャラテンプレート , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青碧 | 作成日時:2020年9月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。