第１１話 『《SAO事件》』 ページ11
嗚咽を洩らし涙を流すテツヤくんに、中学より少し大きくなった体を頼りない腕で包み込み、ひたすら謝ることしか私には出来なかった。
『ごめんね……大丈夫、私はちゃんとここにいるから。大丈夫……ごめんね……』
瞼を真っ赤に晴らしているテツヤくんは、三十分程私の胸で泣きじゃくった。ようやく落ち着いたテツヤくんは、私とともにベンチに座り、ぴったりと私にくっついて離れようとしなかった。
黒子「……すみません」
しかし、三十分もの時間を無駄にさせたことはきっちり頭の中で理解しているのか、何故私を見た途端、私に飛びつき涙を流したのか、リコちゃんたちに話し始める。
黒子「……A先輩は、中学の時の先輩です。バスケ部部員からだけでなく、帝光中学に在籍するほとんどの生徒から好かれる存在でした」
何故か初っ端から私に対する余りに過ぎる過大評価を口にしたテツヤくん。勿論日向くんたちから凝視された。ものすごくいたたまれない。
黒子「特に、先輩を慕っていたのは、キセキの世代の彼らです。それは、先輩がベンチに居るだけで、試合の得点数が大幅に左右されるほどのものでした。…………しかし……」
ここで、私は口を開いた。テツヤくんの未だに震える手を握りしめながら。
『……皆、SAO事件って知ってる？』
反応は凡そ皆同じものだった。
小金井「知ってる？ って、知ってなきゃおかしい大事件じゃん！」
日向「ああ、それが何か関係あんのか？ 雪村」
伊月「……」
リコ「……まさか……」
勘の鋭い何人かは気づいたらしい。そう。小金井くんの言うとおり、日本中を震撼させた事件。一人の人間の手によって、仮想世界に約一万人もの人間の魂を幽閉された、史上最悪の大事件。通称《SAO事件》。この話の流れでその話題を持ち込むというのは、つまり、そういうことだと言っているようなもので。
黒子「彼らの才能が開花する直前、A先輩は、SAO事件に巻き込まれた」
これには皆、驚きを隠せないらしい。勘づいていた人も、実際に言葉にすると信じられないといった様子で言葉にならない言葉を嚥下した。
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ゆのん(プロフ) - 更新待ってます！ (3月15日 14時) (
レス) @page14 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年3月2日 11時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 今井 明希さん» コメントありがとうございます。読者の皆様のお言葉に甘えまくっている現状に、無理せずという言葉嬉しかったです。これからもご愛読のほどよろしくお願い致します。 (2020年2月2日 6時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - SAOも好きなのですが、黒バスも好きです！レイさん、更新無理せず、頑張ってください！ (2020年2月2日 4時) (レス) id: efc9537302 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - CaLMeさん» コメントありがとうございます。私事優先と仰って下さり、作者は少なからず救われております。これからも応援よろしくお願い致します。 (2019年9月5日 16時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2018年5月26日 14時
