なんか、valkyrieに仁兎なずなの妹いるんだけど。 (ページ6)

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4話ページ6

だがその望みはすぐに叶えられた。

翌日、いつものように媚び売りの女の子達に苦笑いしながら対応し、生徒会に顔を出し、太陽が眠りに着こうとする時間帯の頃。

「♪〜〜♪〜〜」

中庭を歩いていると、また聞こえた。

今度ははっきりと、上から。

バッと上を向くと、窓際に夕日に照らされた金髪が輝いていた。

金髪に、赤い目。

そしてどこかで見た事のある女の子だった。

赤くて大きな目は夕日が照っている方向をうっとりと見つめ、さらさらした髪は風にたなびいた。

昨日よりずっとはっきり、大きく聞こえるその歌は僕の心をギリリと掴んで離さなかった。

歌詞は日本語でも英語でもなかったから、何を言っているのかほとんどわからなかった。

高い声で歌う所は、あまりのビブラートの美しさに鳥肌が立ってしまったよ。

美しい女の子から紡ぎ出される美しい声に、天使ではないかと錯覚する。

静かに、歌が終わりを告げてしまった。

僕は帰ろうと通っていた中庭をUターンして、玄関へ向かう。

会いに行きたい。

彼女が、9人目の女子学生だったんだ。

僕に媚を売らない、僕に会いにも来ない。

そして美しい歌声を響かせて、僕を魅了する。

興味をもたないわけないだろう？

ああ、彼女が帰ってしまわないかと思うと、自然に足が早くなってしまう。

困ったな、英智君ゲージが増える。

でも、加速し続ける足はとまらない。