なんか、valkyrieに仁兎なずなの妹いるんだけど。 (ページ3)

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1話ページ3

「英智様〜♡」
「英智様〜〜♡具合は大丈夫ですかぁ？」
「あっ英智様、今度一緒に遊びに行きませんかぁ？♡」
「英智様〜〜〜♡お喋りしません？♡」

全く勘弁して欲しい。

僕は溜め息が出そうになるのをぐっと堪えた。

そして、「アイドル天祥院英智」の笑みを貼り付ける。

その度に「ｷｬｱｱｱ♡」と女の子達の黄色い声が上がる。

正直その声はステージの上だけで充分だし、ステージの上でなければ意味がないものだ。

夢ﾉ咲学院は今年から、女性アイドルの育成も始めた。

まだテスト段階という感じだけれども。

「夢ﾉ咲」というブランドから、女性の入学希望者多数。

厳選なオーディションの結果、選ばれたのはたったの9人らしい。

それなのにどうしてこんな馬鹿で媚を売るような子ばかり集まったのか。

顔がいいからまだ可愛げがあって許せるものの、ブスだったら本気で退学されていたかもしれない。

ことある事に英智様英智様英智様。

可愛い純粋な桃李だったら大歓迎だ。

でもこの子達はきっと僕の名声と権力が目当てだ。

折角入れたこの夢ﾉ咲で、頂点に立とうとしているのだろう。

……出来れば媚を売るよりもっと別の方法で頂点を目指して欲しいのだが。

「英智様〜♡この前のライブ見ました！とってもかっこよかったです！」
「とっても優雅でした！流石英智様！」
「次のライブも絶対見に行きます〜♡」

君たちの視力は大丈夫なのかな？

可愛い桃李や洗練された素晴らしい渉のパフォーマンス、弓弦の色気が見えなかったのかい？

ああもう、勘弁してくれ。