名無し ページ13
アメリアside
｢起きてるんだろう、お嬢ちゃん。｣
その声に反応して私は目を開けた。
起き上がろうとすると体に鈍い痛みが走る。
｢痛っ。｣
｢あぁ、無理に起き上がろうとしなくて良いさ。｣
視線を動かして声の主を探すと、私の寝ているベッドの脇にアロハシャツを着た声の主は座っていた。
｢あぁ、自己紹介がまだだったな。俺はアルト･クレフだ。お嬢ちゃんはSCP(規制済み)、アメリアって言うんだったな。｣
クレフさんはニヤニヤしながら私に問い掛ける。
｢まぁ一つ質問するだけさ、そんなに気負わないでくれよ。｣
クレフさんは笑ってはいるが、目の中は笑っていない。
やっぱり私を警戒しているんだろう。
｢じゃあ質問させて貰うぞ。お前、何者だ。｣
その質問を皮切りにクレフさんの顔から笑いが消えた。
後ろめたい事何て何も無いけど、どうしても自分が何かしてしまった様に思える。
この空気、苦手だな。
｢私は名無しですよ。産まれて存在価値も名前も周りに貰えなかった存在ですから。｣
お母さんは毎日私を罵って、真夜中に置いてきぼりにしようとした。
私を｢お前｣と呼んで、名前を呼んだことは無かった。
だから私は本当の名前を知らない。
今の名前も自分で着けた偽物の名前。
｢へぇ、名無しか。｣
｢はい。｣
クレフさんはそれを聞くと、気が抜けたような声を出して私の頭を撫でた。
同時に沈黙が流れる。
｢うん、まぁ、俺達は名前はやれねぇけど存在価値なら幾らでもやれるから、うん、まぁ、気をしっかり持てよ。｣
どうやら気を使わせてしまったらしい。
同情が体の骨身にやけにしみる。
｢あ、ほら、体平気か。食堂行って何か食おうぜ。腹減ったろ。｣
クレフさんは私の家庭事情を察したらしく、やけに焦っていた。
まぁこんな話聞かされたら流石に焦るよね。
｢ブライトは寝てるみたいだから放っておこう。起きれるか。｣
起き上がると、体はもう痛くなかった。
脚もちゃんと有るし、痛くない。
｢よし、じゃあ行くか。｣
クレフさんは椅子から立ち上がり、私も靴を穿いて寝ているブライト博士に布団を掛けた。
｢ほらよ。｣
クレフさんは私の前にいきなり手を差し出した。
｢掴んどけ、迷子になるからな。｣
私はその手を掴んだ。
クレフさんの手は私より分厚くて温かかった。
お父さんがいたら、こんな感じなのかな。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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あずきいろ
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8
ラッキーアルファベット
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西 - この方角に福があるはずです
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あかり - この小説すごく面白いです！！scpの小説って中々ないので嬉しいです！！更新頑張って下さい！ (2020年3月28日 11時) (
レス) id: bb493c8f2f (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - SCPを夢小説にする人の頭って大丈夫？さん» あ、本当ですか！直しておきますね。警告ありがとうございます。 (2019年10月25日 23時) (レス) id: 69da1a5e62 (このIDを非表示/違反報告)
SCPを夢小説にする人の頭って大丈夫？ - SCP1428ってもういますよアメリカに (2019年10月25日 22時) (レス) id: 37d62ed22a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - リコリスさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2019年10月20日 14時) (レス) id: 69da1a5e62 (このIDを非表示/違反報告)
リコリス(プロフ) - 大好きです。更新応援してます！ (2019年10月20日 14時) (レス) id: a134e1e242 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天音 | 作成日時：2019年9月21日 17時
