14話 ページ14
ー不二sideー
不二「Aは!?」
Aのお母さん、奈津ちゃん、英二が不安げに手術室を見つめた。
英二「不二!Aちゃん送ってったんじゃなかったのかよ!?」
Aの母「違うのよ。A、一度家に戻って来たの。でもそのあと忘れ物したって出ていったらこんなことに…。」
奈津「警察が言うには、暴走した車が歩道に乗り込んで来て、通りすがったAが…。」
奈津ちゃんは、涙を堪えきれずその後の言葉は発されぬまま消えた。
重苦しい雰囲気のまま、ただ時間だけが過ぎていく。
どれくらいの時間が経っただろう。
手術室のライトがパッと消え、その瞬間に誰もが立ち上がり、扉をじっと見つめる。
静かに医師が出てきた。
息を飲んで医師の言葉を待つ…。
医師「命に別状はありません。脳も、内臓も問題ありませんでしたのでご安心ください。
ただ…。
Aさんはスポーツなどを行っていますか?」
Aの母「はい…テニスのプロになると…」
医師「そうですか…。右足のアキレス腱が断裂していまして、日常生活は問題ないと思いますが…競技は…難しいと思います…。」
不二「どうにかならないんでしょうか!?」
医師「申し訳ありません…残念ながら…」
奈津「そんな…。やっとベスト3に入って、これからってところだったのに…。」
Aの母「…奈津ちゃん、不二くん、菊丸くん、Aのために、来てくれてありがとう。こんなに遅くまで…。
命には別状ないって先生もおっしゃってたから、みなさんもうお家で休んでくださいね。」
奈津「でも…」
英二「奈津、帰ろう。また、明日お見舞いに来ようよ。」
奈津「…うん…わかった…。それでは…。」
Aの母「ありがとう。ゆっくり休んでね。」
奈津「おばさんも…。」
Aの母「不二くんも、もう遅いから…。」
不二「僕は…Aさんが目覚めるまで、ここにいさせてください。お願いします。」
Aの母「そんな…悪いわ…」
不二「すみません…お願いします…。」
Aの母「ありがとう…。Aも不二くんがいてくれたら喜ぶと思うわ。」
そう言って力なく微笑んだ。
僕はAが目覚めたら、何をどう話せば良いのか、頭が真っ白だった。
Aの母「不二くん、テニスのことなんだけど、今日はあの子、きっと受け入れられないと思うから、明日私から話すわ。」
不二「はい…」
A…。
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彩(プロフ) - 亜弥*さん» こんな嬉しいコメント、泣きそうです!どうもありがとうございます!!!頑張ります!! (2015年8月23日 21時) (レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - とっても感動しました。読み終えて立つと足がガクガクしてあまり立てませんでした。途中はどうなるかと思いました。これからも頑張って下さい。 (2015年8月23日 13時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - りらさん» りらさん、3作品にもコメントくれてありがとうございます!!(*^_^*) (2015年1月22日 7時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
りら - こんにちは。前作とっっっても感動しました!!!!これからも頑張ってください! (2015年1月19日 1時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 林道さん» 林道さん、気分を害なんてとんでもない!こんなに丁寧に読んでいただいて、細かいアドバイスまでいただいて、感激です!どうもありがとうございました。最近なんだかうまく書けないのですが続けて書いて行こうと思います! (2015年1月16日 23時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2014年7月13日 0時