第百七十七話 ページ48
練習が終わり、次の試合の先発が発表された。
降谷の脱退もあり、先発は沢村で行くらしい。
今かなり流れに乗って来てるし、監督の判断だから反対はしないが、
調子に乗らせないようにしないと、と沢村の自慢げな顔を見て思った。
・
貴『...ねぇ、集中出来ないんだけど』
私の今の状態を説明すると、御幸が椅子に座り、
私がその御幸の膝に座って勉強している状態である。
勉強中にいきなり来たかと思えば急にこの体制にさせられた。
逃げようとしたけど、しっかり腰に腕を回されて動けなかったので、
渋々この状態で進めていた。
けど御幸は、黙って私の手元をじっと見ているだけ。
それが原因で集中出来てないのだが、そう言っても御幸は黙ったままだった。
付き合って長くはないが、こういう時の御幸は、
大抵何か悩みがある事くらいすぐに分かる。
私はシャーペンを動かす手を止め、首を少し後ろに捻った。
貴『何かあった?』
御「まぁ、な...」
そう言葉を濁して、また黙ってしまった。
どうやら話す気はないらしい。
貴『...どうせまた、自信なくしたとかそういうことでしょ』
御「...」
それを肯定するかの様に、御幸は私の首元に顔を埋め、
抱きしめる力を強くした。
貴『この世に完璧に人をまとめられる人なんていないんだから、
少しくらい上手くいかなくても気にしなくていいと思うけど』
『まぁ...』と私は言葉を続け、御幸の頭を撫でた。
貴『それでもって言うなら、不満くらいいつでも聞いてあげるから』
御「...サンキュ」
小さくそう聞こえて、私は一つ息をついた。
すると突然、首にチクッと痛みが走った。
貴『ちょっ...何したの』
御「んー?Aは俺のっていう証」
貴『...ぁ』
そういえば唯がこの前、【キスマーク】というものを教えてくれた。
愛情表現の一つだって言っていた気がする。
御幸はキスマークを付けたのであろう場所に舌を這わせる。
感じた事のない刺激に、私は身体を震わせた。
貴『んっ...』
御「可愛い...なぁ、もっと付けていい?」
調子に乗りはじめた御幸の溝落ちを肘で殴る。
「うぐっ!」と離れた御幸の背中を押して、無理矢理外へ追い出した。
バタンッと扉を閉めると、私はズルズルと床に座り込む。
意味までハッキリと覚えていないが__
貴『(こんな赤くなった顔、見せられない...)』
私は誰もいない部屋で、隠すように手で赤い顔を覆った。
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桜餅(プロフ) - 夜さん» 予防接種バッチリなので多分大丈夫!だと信じたい!←これからも頑張ります! (2019年12月15日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 藍こさん» 最近イチャイチャ書けてなかったですからね〜早く文化祭書きたい...試合どこをカットするか毎回悩み所です(^.^; (2019年12月15日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 更新お疲れ様です楽しみにしてます。お体にお気をつけて頑張ってください (2019年12月15日 0時) (レス) id: ccee2c2824 (このIDを非表示/違反報告)
藍こ(プロフ) - 御幸さんとのいちゃいちゃ!!きゃあ!!ありがとうございます!お疲れ様です^_^ (2019年12月14日 20時) (レス) id: b64ba8aeaf (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ですね!何事も元気が一番!まぁ風邪引いて学校休みたいって思っちゃう日もあるんですけどね← (2019年12月6日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時:2019年11月13日 17時