″元″冷酷のマネージャー【御幸一也】

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自主練を終え風呂にも入り、部屋でくつろいでいると、

部屋のドアがノックされた。


こんな時間に誰だ？

頭にハテナを浮かべながらドアを開けると、そこに立っていたのはAだった。



御「どうかしっうぉ！？」



予想もしてなくて「どうかしたのか？」と聞こうとしたが、

途中で紙袋を押し付けられ、さっさと部屋に帰ってしまった。


正直状況が上手く飲み込めていないが、取り合えず中に戻り、紙袋を開ける。


そこから出てきたのは、小さな袋に入ったお守りと、メッセージカード。


ユニフォームの形で、表には赤で【必勝】、裏は青で俺の背番号が刺繍されていた。

カバンにつける用の紐には、小さなボール付いている。


手作りだと、すぐに分かった。

練習が終わってすぐに作れる訳がないから、もしかして前の日に作ってくれてたのか？


それだけで嬉しいが、その気持ちを押さえ、俺はメッセージカードを開いた。


【誕生日おめでとう。

　いつも冷たく接してしまうけど、

　御幸の笑顔も、打席に立った姿も、盗塁を阻止する姿も、全部大好きだから。

　愛を知らなかった私に、愛を教えてくれてありがとう。

　無愛想で身も心もボロボロだった私を、たくさん愛してくれていてありがとう。

　A】



全部読み終えた瞬間、俺は部屋を飛び出し、Aの部屋に走った。

ノックしたけど返事が待てなくて、勝手に部屋に入る。


そして、Aの言葉も聞かず、大好きな彼女に抱き着いた。

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