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第百六十六話 ページ33

カキーン!!



試合再開後、いきなり御幸のツーベース。

初球アウトコースのストレート、完全に山を張ってないと打てないだろう。


主将として、自らのプレーで流れを引き寄せるのは当たり前だが、

それでもいい当たりだったことには変わりないので、

心の中で『ナイスバッティンング』と思いながらスコアをつけた。


...にしても。


私は少しふらついた足取りで打席に向かう降谷の後ろ姿を見る。

さっきからどこか上の空だが、大丈夫だろうか。


私の嫌な予感は当たったらしく、降谷はサインを見ることを忘れ、

初球から打ちに行ってしまった。



前「降谷...お前...サイン...」



戻ってきた降谷に前園が指摘すると、降谷は「あっ」と小さく声を漏らした。

やはり頭になかったらしい。


監督の言葉で目を覚ました降谷はベンチの奥へと下がった。



貴『...それじゃエース失格ね』


降「...!」



通り際に、私はそう呟く。

降谷だけに聞こえるように行ったつもりだったのだが、

近くにいた春市にも聞こえていたようだ。



春「厳しいですね...」


貴『アイツにはまだ、エースとしての自覚が全然足りてない。

  これを気にその責任の重大さを自覚してもらわないと』



甘い言葉なんていらない。

むしろ今の降谷には、厳しい言葉が必要だ。


うちの攻撃が終わり、みんな守備についていく。

すると、さっき弱まった雨がまた強くなった。

それに伴い、降谷の球も荒れる。


流石に監督も交代を考えたようで、川上を呼んだ。



沢「おいしょー!」



そこに、沢村の大きな声が届いた。

川上優先と言われ、今度は金丸を呼び出した。



部「でも...中断中もずっと肩を作ってたんですよね...」


片「......」



監督は沢村の方を見て何やら考えている様子。

一方試合は、先頭打者を四球で歩かせ、

乾に甘く...というより、スッポ抜けの球を右中間まで運ばれた。


負の連鎖はそれだけで留まらず、次の打者に三遊間を打ち抜かれ、

乾をアウトに出来たものの、先制点を許してしまった。


試合再開後から、降谷の様子がどこかおかしい。

試合に集中しきれていないというか...今だってホームのカバーに行っていない。


御幸が戻した流れは、降谷のピッチングによって完全に向こうに傾いてしまっていた。

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桜餅(プロフ) - 夜さん» 予防接種バッチリなので多分大丈夫!だと信じたい!←これからも頑張ります! (2019年12月15日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 藍こさん» 最近イチャイチャ書けてなかったですからね〜早く文化祭書きたい...試合どこをカットするか毎回悩み所です(^.^; (2019年12月15日 1時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新お疲れ様です楽しみにしてます。お体にお気をつけて頑張ってください (2019年12月15日 0時) (レス) id: ccee2c2824 (このIDを非表示/違反報告)
藍こ(プロフ) - 御幸さんとのいちゃいちゃ!!きゃあ!!ありがとうございます!お疲れ様です^_^ (2019年12月14日 20時) (レス) id: b64ba8aeaf (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ですね!何事も元気が一番!まぁ風邪引いて学校休みたいって思っちゃう日もあるんですけどね← (2019年12月6日 19時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2019年11月13日 17時

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