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第百三話 ページ9

その日の夕方頃、私は服と荷物を届けに来てくれた高島先生に呼ばれ、

監督室へ向かった。


その内容は、新チームの主将について。



片「俺は、御幸を新主将にしようと思っている。結城からの強い推薦もあるからな。

  後で倉持と前園にも聞くが、お前からも意見を聞きたい」


貴『......いいと思います、御幸で』


高「(今の間...やっぱり素直に認めたくないのね)」



高島先生がそう心の中で苦笑いを浮かべているのを知らず、

私は言葉を続ける。



貴『不本意ですが、私も元捕手として、御幸の才能は認めているつもりです。

  悪いところはちゃんと指摘し、チーム全体を見ることができるのは、

  御幸だけだと思います』


片「そうか。決定は残りの二人次第だが、もし御幸が主将になれば、

  アイツにかかる負担はより多くなる。支えてやれるか?」


貴『それがチーム全体を支えることに繋がるのなら、出来る限り私情は挟みません』




いいとは言ったものの、結城先輩のようなリーダーシップがある訳じゃないし、

不安な要素はいろいろある。


けれど信頼は厚い。きっと周りもサポートしてくれるだろう。



高「そういえば、どうして御幸君を嫌っているのか聞いたことなかったわね。

  この際、よかったら聞かせてくれる?」


貴『別に...ただの嫉妬ですよ』



そう前置きして、その経緯を簡単に話す。

そういえば、あまりそういう話を誰かにしたことがなかった。



高「あなたらしいわ」



納得した高島先生はそう言って笑った。

私としては黒歴史同然の記憶なのだが。



片「それと、親御さんのことだが...」



監督の一言で、緩んでいた空気が一気に緊張に変わる。



片「...お前が出て行った後、しばらく寮に置くことを伝えた。

  不服そうだったが、何とか了承も取れた。

  荷物は服と一緒に届けられただろう」



まだ確認はしていないが、いつも使っている鞄が見えたので大丈夫だろう。

了承を取った後、高島先生がわざわざ家まで必要最低限のものだけ取りに行ってくれたそうだ。


私は改めて頭を下げてお礼を言い、部屋に戻った。

教科書等の勉強道具、その他必要なものがあるのを確認した。

夏休みと言うだけあって、学校はないが当然宿題はある。


高島先生の服を着てみたが、サイズもピッタリだった。


床に置いておくのもあれなので、服を棚にしまう。


取り合えず、今日は宿題を進めて過ごすことにした。

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桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します!提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き?の話?笑笑待ってます!! (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ!!いや退部もお話的に駄目だけども!!←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました! (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです!百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください!!!! (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(?)ありがとうございます!←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2019年10月30日 0時

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