第百一話 ページ7
翌日、部活は二日間オフとなった。
学校もなく、部活の方へ行っても、みんな自主練をしているだけ。
だから、今日は家にいるつもりだった。
それで、部屋で勉強を進めていると、ドアを乱暴に叩かれた。
魅「いるんでしょ？ちょっと話があるんだけど」
キンと耳に響く高い声が、扉越しから私の耳に届く。
私が顔を出せば、「早く来て」と先にリビングへ入っていった。
いつもストレス発散の時にしか私に話しかけないのに、話とは何なのだろうか。
そう思いながらリビングのドアを開け、三人が座っているテーブルの椅子につく。
勿体振ることなく、父はすぐに話しはじめた。
父「お前、野球辞めろ」
一瞬、理解出来なかった。
思わず『は？』と返してしまう。
父「いいか。世の中結果が全てなんだ。
これまでは、結果を残すことが出来るならと続けさせて来たが、
お前は昨日、甲子園の切符を手放した。結果を残せなかったんだよ。
そんなやるだけ無駄な野球を、これ以上続けさせることはできない」
結果が全て...？やるだけ無駄...？
心のそこからフツフツと怒りが沸いてきたが、拳を握りしめて堪える。
今度は、母が父の言葉を受け継いで口を開いた。
母「明日、退部届けを持って学校へ行くから」
貴『...嫌だ』
母「はぁ？」
俯かせていた顔を上げ、三人を睨むようにして目を向ける。
貴『私、辞めないから、野球』
母「っ...あんたねぇ！！」
母が叫んだ瞬間、右頬に感じる強烈な痛みと衝撃。
それによって身体が傾き、床に倒れ込んだ。
母「私たちがどれだけ金注ぎ込んだと思ってんのよ！！
学費だけでも大変なのに、部費まで！？馬鹿なこと言わないで頂戴！
役立たずのアンタにかける金なんて、もうないわ！」
そうヒステリックに叫びながら、私の身体中を蹴りつづける母。
私が頭を守る力もなくなった頃、ようやく足が止まった。
魅「...アンタに才能がないのが悪いんでしょ。
さっさと辞めて、結果を残せる人間になれるよう努力しなさいよ」
父「話は終わりだ。早く出ていけ」
私はフラフラと立ち上がり、覚束ない足取りで部屋へ向かった。
せっかく治ったのに、また傷が増えてしまった。
...野球を失ったら、私の中には、何が残るのだろうか。
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桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します！提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (
レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き？の話？笑笑待ってます！！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ！！いや退部もお話的に駄目だけども！！←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました！ (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - とても面白いです！百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください！！！！ (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(？)ありがとうございます！←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2019年10月30日 0時
