″自称″冷酷のマネージャー【御幸一也】

第百三十七話 ページ44

改めてその言葉を聞いて、俺はしばらくフリーズ。

ハッと我に返って、相川の方へ身を乗り出した。



御「え、ちょ...マジで？嘘じゃないよな？」


貴『御幸に嘘告するほど、私は馬鹿じゃない』



戸惑う俺に呆れながら、相川はそう言った。



御「...自分から勝負仕掛けといてあれだけど...本当に俺でいいのか？」



確認のため最後にそう聞くと、相川は確かに頷いた。

それを見た瞬間、嬉しさが込み上げてきて、俺は優しく相川を抱き寄せた。



御「俺、今スゲー幸せだ...」



耳元でそう言えば、さっきまで顔を赤くすることがなかった相川が、

今度は分かりやすく耳まで赤くなった。



御「っはは！顔真っ赤！」


貴『うるさい...』


御「あー、マジで可愛い」



さらに顔を赤くする相川。



御「なるほど、相川は言葉責めに弱いのか」


貴『...さっきまで私の言葉を理解出来ずに混乱してた奴に言われたくない』


御「うっせ。自分を嫌ってた子が好きになってくれるなんて、普通思わねぇだろ？」



俺だって、まさか本当に好きになってくれるなんて思わなかったし。



御「相川」


貴『何...』


御「好き」


貴『...あ、そ』



『好き』って返って来るかと思えば、それだけ。

俺は不満そうに口を尖らせた。



御「なんだ、もう好きって言ってくれねぇの？」


貴『言わない』


御「ちぇっ、いつか絶対言わせてやる」

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