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第百三十四話 ページ41

貴『なんで...』



『なんで来たの』

そう言う前に御幸は部屋に上がり、私の元へ来た。

そして、持っていた夕食の乗ったトレーを置き、じっと私の顔を見つめる。



御「...大丈夫そうだな」



そう言って、安心したような優しい笑顔を浮かべる。

その笑顔に、私の心臓はドクッと跳ねた。



御「夕飯持ってきたけど、食べれるか?」


貴『い、今はいらない...』


御「そっか」



私がそう言っても、御幸は戻ることはせず、ずっと床に座っている。

...自分の分の夕飯、もう食べたのだろうか。



貴『御幸、自分の分は?』


御「即効で食べてきた」



食べたらしい。



御「...俺さ」



私が少し気まずさを感じながら黙っていると、御幸が口を開いた。



御「すっげー心配した。検査終わるの待ってる時も、ずっと。

  お前がいなくなってしまうんじゃないかって」



御幸が心配してくれていたと言うのは、あの看護師さんか聞いた。

けど、私がいなくなるかもしれないとまで考えていたとは思わなかった。



御「それでさ、改めて俺がどれだけ相川が好きか自覚したよ。

  ...お前がどう思ってるか分かんねぇけど、やっぱ俺、お前が好きだ」


貴『...!!』


御「まだまだ勝負はこれからだし、覚悟しとけよ!」



そう言って、無邪気に笑う御幸。

...言わないと、自分の気持ちを。


私はキュッとシーツを握りしめ、口を開いた。



貴『...私も、好き...』


御「...は?ゴメン、ちょっと聞こえなかった。もっかい」



絶対聞こえてたくせに。

そう思って御幸を見ると、聞こえていたことは確かだが、かなり混乱しているようだ。


だから私は、今度はハッキリと、御幸に伝えた。



貴『私も、御幸が好き』

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桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します!提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き?の話?笑笑待ってます!! (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ!!いや退部もお話的に駄目だけども!!←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました! (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです!百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください!!!! (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(?)ありがとうございます!←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2019年10月30日 0時

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