第百二十六話 ページ33
御幸side
おかしい。
多分それは、野球部全員が思っていることだと思う。
昨日の午後、相川が家に荷物を取りに帰ったと礼ちゃんに聞いた。
それなのに、まだ帰って来ないのだ。
今は夜で、取りに帰ってからまるまる一日経っている。
礼ちゃんが連絡しても繋がらないし、念のため親に連絡してみたら、
「荷物をまとめてすぐに出て行った」と言われたらしい。
どう考えても怪しいと思って探しても見つからない。
川「大丈夫かな、相川...」
倉「どこにいるのかも分からねぇしな」
食堂では、相川の話で持ち切り。
監督たちと新しく来たコーチで、今も探している。
すると、ポケットに入れていた携帯が鳴った。
...鳴？
御「もしもし」
成「ちょっと一也！さっきからAに電話してるのに、
全然繋がらないんだけど！一也何かした！？」
コイツ、甲子園に負けたからてっきりまだしょぼくれてるかと...じゃなくて。
御「相川が昨日から行方不明なんだよ」
成「...は？行方不明？」
俺が事情を全て話すと、鳴は静かな怒りを含んだ声で言った。
成「外ばっか探してんの？馬鹿だろ。
俺も虐待のことは始めて知ったけどさ、そんな親が素直に帰すとは思わないね」
そう言われて、俺はハッとした。
そうだよ。なんで相川が家出た前提で話してんだ。
成「考えたくないけどさ、Aのこと、相当痛め付けたと思うよ。
そんな状態で動けるわけないんだから、多分Aは...」
御「家...」
最も可能性の高い場所が、頭から抜けていた。
あーくっそ！馬鹿だろ俺！
御「サンキュー鳴！俺今から___」
成「一也！」
今すぐ行こうと電話を切ろうとするも、鳴の声でピタリと止まった。
成「お前は俺よりもずっと近くにいるんだからさ、ちゃんと守ってやってよ。
俺の大切な幼馴染みだし、何より好きな子だし...一也だってそうじゃん。
今のAに必要なのは、俺じゃなくて一也だよ」
鳴の悲しそうな声。
きっと、あの時と同じ泣きそうな、吹っ切れたような笑顔をしているんだろう。
御「...あぁ、約束する。ありがとな」
成「絶対救いなよ。出来なかったら許さないから！」
そんな鳴の言葉に「あぁ」と帰して電話を切った。
そして立ち上がり、みんなの制止の声を無視して食堂を飛び出した。
御「もしもし礼ちゃん！？相川の家ってどこ！？」
絶対、助けてやるから...！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜餅(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！学校から課題が送られてきて昼間はあまり更新出来そうにないんですが、頑張って更新します！提出物出してないせいで退学になりたくないので← (2020年5月10日 22時) (
レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 桜餅さん» 笑笑退学。笑笑笑とても面白いです笑続き？の話？笑笑待ってます！！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 069bca8089 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 葵さん» 退学は駄目だぁぁ！！いや退部もお話的に駄目だけども！！←(メメタァ...)自分の間違いなのに地味に笑いましたw教えてくださりありがとうございました！ (2020年5月6日 23時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - とても面白いです！百一話の、退部届けが、退学届になってます笑笑だいぶ意味が変わると思います笑笑頑張ってください！！！！ (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8fdb0203bc (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - スピカさん» あらやだ(？)ありがとうございます！←気付かない間に400人も...読者様達には感謝しかないです:(T-T):おっと目から塩水が...← (2020年4月19日 0時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜餅 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti
作成日時：2019年10月30日 0時
