″通称″冷酷のマネージャー？【御幸一也】

第八十七話 ページ40

試合当日。

私は名前を呼ばれるのを待ちながら、テレビに映しだされている試合を見ていた。


やはり生で見ないとどんな状況か把握しにくい。

投手の後ろから見れるので、変化球などは分かりやすいが。



看「相川Aさーん」



三回の裏、丹波先輩が三振を取ったところで、キリよく名前を呼ばれた。

レントゲンなどで検査した結果、八割ほど治っているようで、

もう吊さなくてもいいそうだ。


検査が終わり、高島先生に結果を報告してから病院を出た。

タクシーを拾い、球場に向かう。


病院から球場までは、意外と距離がある。

さっきのペースでいけば、着くのは六回が終わるか終わらないかくらいだろう。


スマホで見れるけど、酔いたくないので我慢するしかない。


・



球場に着いた瞬間、私は出してあったお金を払ってタクシーを降りた。

人が多いので、小走りでスタンドへ向かう。


上に出て得点板を見れば、数字は九回表まで出されていた。

アウトカウントは一つ、しかもうちがリードしている。


投手は川上。

多分、その前に沢村が投げたはずだ。


見たかったな、沢村のピッチング。

誰かビデオを撮ってくれているだろうから、また今度見させてもらおう。


結局、仙泉学園は巻き返すことが出来ず、ゲッツーで試合終了となった。

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