俺たちの姫 36 ページ4
「魔法を使うやつに心当たりはあるか？
一体なんだってそんなこと…」
夜、今日調べたことを聞くため、大広間に集まるとそんな質問が飛び出る。
「なんでも、調査で入った森で現実じゃありえない現象にあったらしいよ〜」
「ん？りつはあわなかったのか？」
「俺は『流星隊』の人達と行動してたからね、セッちゃん達とは別だったの」
「そうか。……魔法使い、ねぇ。あるにはあるが、噂程度のものだぞ？
“西の森には赤い魔女がいる”ってな。少し前に言われてたんだ。
それがどこから出た噂なのかもわからん」
詳しく聞けば、確かに人間業ではない。
それが本当なら、何が目的なのか。
振り出しに戻ってしまったような感覚に空気が重くなる。
何か、何か手がかりはないのか。
「あぁ、そうだ。これは関係あるかわからないが、
“隣国には美しい吸血鬼がいる”っていう噂もあったぞ？」
参考程度に、と何気なく口に出した話題にその場が凍りつく。
それに気づかず私は話し出した。
「なんでも、オトヌの近くで犬歯が鋭く伸びた赤い目の綺麗なやつを見たとかで、」
「ねぇ姫様、俺、そろそろ寝てもいい？」
「明日に備えて寝たいんだよな、セナ！」
「ん？あぁそうか。お前らは森の中を歩き回ったんだもんな。お疲れ様。もう休んでくれ」
「姫様、アタシもいいかしら？寝不足はお肌の調子に影響するもの♪」
「あぁ。今日はこれで解散にしよう。みんな疲れてるみたいだしな」
その一言でみんなが自室へ戻り、今日の調査報告会はお開きとなった。
その中でひとり、苦しそうに俯いてたやつに、私は気付くことができなかった。
.
夜。どうしても寝付けなくてキッチンに水を飲みに行った帰りだった。
──ポロン、
微かにピアノの音が聞こえて立ち止まる。
誰かがピアノを弾いてる……？
この城で唯一ピアノが置いてあるのは廊下の端にある舞踏会などを行うホール。
警戒と好奇心からホールへ向かうと、その扉はほんの少しだけ開いていて、そこから音が漏れていたみたいだ。
初めはポロン、ポロロン、と控えめだったその音は、だんだんと重なりを増して曲を奏でている。
そっと覗くと、そこには夜の闇にも似た黒髪を月光に煌めかせて、りつがピアノを弾いていたのが見えた。
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のん！ - この作品大好きです！！更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年11月7日 10時) (
レス) id: c2d5ae3557 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白いです！続きがとても、楽しみです！ (2020年10月14日 4時) (レス) id: 49147fff59 (このIDを非表示/違反報告)
餅すけ - 続きをすごく楽しみにしています！！更新は大変だと思いますが。頑張って下さい！！応援しています！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
リオン - 更新大変だと思いますが、無理のない範囲で更新頑張ってください。この作品大好きです！！！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - とっても面白くて、続き楽しみにしてます！ (2020年2月14日 4時) (レス) id: 6241f35e59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年12月22日 17時
