俺たちの姫 50 ページ18
「……双子……」
Aは驚いたように言葉を紡ぐ。
Aが驚くのも無理はない。プランタンでは双子というのは珍しく、あまり見ない上に、この森に隣接する他国、オトヌでは一般的に“忌み子”と呼ばれ、迫害の対象となっている存在だ。
そんな存在が森の奥で2人きり。しかも見る限りこの子達の年齢は10もない……となれば考えられる可能性は2つ。
親に捨てられたか、買われた主人の元から抜け出して双子に対して迫害意識のないプランタンに逃げてきたか。
どちらにしても、これだけ幼ければこの国で保護するしかないだろう。森を進んでいたのだろう、ボロボロの服と靴。泥だらけの顔、細い手足……まだこんなにも幼いというのに、この子達は自国で迫害を受けてきたのだろうか。
いくらこの国のトップといえど、他国のことにまで口出しをする権利はない。手を伸ばしたくとも伸ばせない、そんな状況が今までは歯がゆかったのだ。それが、今なら少なくとも2人救える。……まずは綺麗な服と靴、美味しい食事だな。
じっ、と双子を見つめて考え込んでいると、少年たちはれおと同じ翡翠の瞳に不安と戸惑いを映した。
「……やっぱり俺たち、気持ち悪い……？」
「えっ……？」
「お姉さん、おれたちを見て難しい顔、してたから……」
しゅん……と落ち込んでしまった2人に慌てて弁解する。
「ち、違うんだ。ごめんな、不安にさせて。
───ここはプランタン。君たちを迫害するようなやつはここには居ないよ」
ほっ、と息をついて安心したように目尻を下げる双子にキュッと胸が痛む。そうか、この子達にとっては自分より大きな者たちの固い顔が怖いのだ。そこまで自分の考えが及ばなかったことに少し反省した。
「……ねぇねぇお姉さん、お名前は？」
「私の？……A、と呼んでくれ」
一応王族である身として本名を名乗るか迷ったが、まだこの子達は幼いし、下手なことをして余計な不信感を与えるのは得策ではないと判断してそう答える。
しかし、案の定お堅いいずみはお気に召さなかったみたいだ。
「ちょっ……？！何勝手に名前なんて教えてるの！」
「落ち着け。まだ幼い子供じゃないか」
「子供とか大人とか関係ないでしょぉ？！あんたの名前ひとつでさえ利用価値があることを忘れないでよねぇ」
「はいはい、わかったよママン」
「誰がママンだってぇ？！」
「セナ、もう過ぎたことは仕方ないだろ？そうピリピリすんなって！」
「姫様に甘い王さまはちょっと黙ってて！」
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のん！ - この作品大好きです！！更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年11月7日 10時) (
レス) id: c2d5ae3557 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白いです！続きがとても、楽しみです！ (2020年10月14日 4時) (レス) id: 49147fff59 (このIDを非表示/違反報告)
餅すけ - 続きをすごく楽しみにしています！！更新は大変だと思いますが。頑張って下さい！！応援しています！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
リオン - 更新大変だと思いますが、無理のない範囲で更新頑張ってください。この作品大好きです！！！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - とっても面白くて、続き楽しみにしてます！ (2020年2月14日 4時) (レス) id: 6241f35e59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年12月22日 17時
