俺たちの姫 34 ページ2
「2週間待つ」と宣言してから丸１日が過ぎた。
相変わらずなんの進展もないらしく、私の焦燥感は募るばかり。
執務室には私とあらしのふたり。
他の4人は流星隊と協力して誘拐未遂犯の調査へ行っている。
「……あらし、」
「なぁに？」
「そんなに睨まなくても今日は無断で出かけたりしないぞ」
「今日だけじゃ困るのよねェ？……あら“無断で”？」
「今日は宗…知り合いの洋服店にドレスの採寸をしに行く約束をしててな。
……ついてくるか？」
あらしはぱちくりと瞬いたあと、ふわりと妖艶に微笑んだ。
「もちろんじゃないの」
.
「よく来たね」
アンティークな家具が所狭しと並ぶ店内。
店主の宗と、一緒に住むみかは完璧な準備をし終え、私たちを歓迎してくれた。
「A様がようやく新しいドレスを作る言うて、お師さん楽しみにしてたんやで〜」
「黙れ影片」
ほわほわと嬉しそうに話し出すみかを一言叱ると、あらしを一瞥して私の方へと向き直った。
「珍しいな、護衛付きとは。…で、注文は？」
ドレスの、ということだろう。
宗は相変わらず言葉が少なくて困る。
「露出は少なく、動きやすく。色は大人しくしてくれ。それ以外は何もない」
「ふんっ、予想通り過ぎてつまらないのだよ。
…まぁいい。この中から気に入ったデザインはあるかね？」
ビラっと棚から出された紙にはドレスのラフが大量に描かれている。
……このデザイン、好きだな。
紺の大人びたくるぶし丈のドレス。
スカートの膨らみは少なく、ゴテゴテした飾りもない。強いて言うなら、腰の位置にあるリボンくらいの大人しいやつ。
指をさして選んだデザインを伝えると、宗はしばらくデザインを見つめてからメジャーを取り出した。
「A、服を脱げ。採寸を始める」
「…ちょっと！？女の子なんだから、そんなにあっさり脱いじゃダメよォ！」
宗に言われ、素直に服に手をかけると慌てた様子で今まで静かに見守っていたあらしが止めに入る。
何をそんなに慌てて…
「なんだ？採寸するだけだし、全部は脱がんぞ？」
事実を伝えれば、きょとんとアメジストの瞳が瞬く。
「……あ、そう、よね…アタシったら早とちりして…ごめんなさいね」
(一体どうしちゃったのかしら…？そんなの、当たり前じゃないの……)
隣で騎士が戸惑っているとも知らず、姫はそのドレスを着ることになる夜会を思ってため息をつくのであった。
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のん！ - この作品大好きです！！更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年11月7日 10時) (
レス) id: c2d5ae3557 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とっても面白いです！続きがとても、楽しみです！ (2020年10月14日 4時) (レス) id: 49147fff59 (このIDを非表示/違反報告)
餅すけ - 続きをすごく楽しみにしています！！更新は大変だと思いますが。頑張って下さい！！応援しています！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
リオン - 更新大変だと思いますが、無理のない範囲で更新頑張ってください。この作品大好きです！！！！！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: e704f87021 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - とっても面白くて、続き楽しみにしてます！ (2020年2月14日 4時) (レス) id: 6241f35e59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年12月22日 17時
