初めてのsideあんず ページ20
時は過ぎて放課後。
私は言われた通り、普通科の校舎裏へ来ていた。呼び出した本人はまだ来ない。
時間が過ぎると共に不安は増していく。
……まさか、本当に──
「すみません……！」
少し慌てたような落ち着いた声。
その声に振り返れば、黒髪の女の子が駆けてくる。
この子、どこかで……？
「呼び出したのにも関わらず、遅れてしまい申し訳ありません。
普通科2年A組、左東Aと言います。
……この間、月永レオさんの居場所を聞かれた……」
ぺこりと頭を下げてちょっと気まずそうに語尾が小さくなっていく。
あの時は随分とたくさんの人に聞いて回ったため、すぐに一致することは出来なかったが、一番有力な情報をくれた人だと思い出す。
「……あ、あの時の……」
「はい。……忙しいようなので要件を簡潔に言いますと、……あなたの連絡先が欲しいんです。」
……私の、連絡先？
やっぱり、この子はアイドル達と繋がっている私の連絡先が欲しいのだろうか。
それは無理だと口を開こうとしたその時。
「私、あの後何度か月永レオさんを見かけたんです。あの、もし探しているのなら、私が見かけた時すぐに伝えられればと思って……」
彼女の言葉に目を見開く。
私がどれだけ探しても姿すら見つけられないというのに。
それが本当ならぜひともお願いしたい。
しかし、安易に信用するのもプロデューサーとして良くはない。
どうしようか。
その不安を読み取ったように彼女が口を開く。
「もし、他のアイドルの情報を聞き出すような行為をした場合、連絡先を消してもらって大丈夫です」
そんな都合のいいことがあるのか。
しかし、ひょうひょうとした彼女の態度に、嘘はなさそうだ。
……一度、信じてみよう。
「わかりました。ぜひお願いします」
微笑んだ私を見て、緊張が解けたようにふわっと表情を和らげる彼女。
しばらくした後、新しく追加されたこの学院初めての同性の連絡先に、胸が高鳴ったのは私だけの秘密。
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結 - 完結おめでとうございます!とても面白い作品で涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください！ (2021年6月20日 6時) (
レス) id: de81aa094a (このIDを非表示/違反報告)
美玖 - すっごく面白いです！いい言葉が出ないのでこの気持ちを伝えるのが難しいですが、私はすごく好きなお話です (2021年5月8日 21時) (レス) id: 9f95d8689d (このIDを非表示/違反報告)
美夜 - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！とても面白い作品でした！是非、お二人のその後が読みたいです！ (2019年2月26日 2時) (レス) id: 671397f4b4 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 続きを…書いて欲しいですっ！！！！とても面白かったです！！！ (2019年2月26日 0時) (レス) id: e991a9fa95 (このIDを非表示/違反報告)
コユキアメ(プロフ) - この作品見つけたときからすっごく好きです！レオくん推しとしては続きを書いてもらいたいですm(_ _)m (2019年2月25日 8時) (レス) id: f7c062f730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨネーズ | 作成日時：2018年10月8日 17時
