Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ42)

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42.裏切り者④ ページ42

『ハリー、ピーター・ペティグリューは彼等の学友で
貴方の両親を裏切った罪をブラックに着せ
ウィーズリー家のペットの鼠スキャバーズとして
12年間過ごして来たの、指が一本無いでしょう？
殺人鬼の残虐性を表すにはうってつけだったわ
でも、頭脳が足りなかった様ね』
脳も鼠サイズなのかしら、とクロウは呆れ顔をする
そして、スネイプに視線を送る

ｷｭｩ

スネイプが杖を振るとみるみるうちに鼠は姿を変えていく

「リーマス！シリウスか！懐かしの友よ！」
そう叫びながら逃げようとするペティグリューを止める2人

「‼︎ハリー！なんとまぁお父さんそっくりだ」
「よくもそんな口が聞けるな！」
ハリーに近付くペティグリューに掴みかかるブラック

「お前がリリーとジェームズを
ヴォルデモートに売ったんだろ！」
「そんなつもりはなかったんだよ…」
ルーピンも詰め寄る

「頭の良いお嬢さん、君なら分かってくれるよね」
そう言いながらクロウの方へと歩み寄って来る

ｸﾞﾜｯ

「⁉︎」
その瞬間、フィデスに押し倒されるペティグリュー

『吸魂鬼にキスして貰えば良いじゃない』
冷たく言い放ち、ブラックへと視線を移すクロウ

『シリウス・ブラック
彼を吸魂鬼に引き渡せば、貴方の無実は証明されるわ』
そしたらハリーと暮らせるわね、そう言い
ブラックへと微笑みかけるクロウ

「噛んで悪かった…少し痛むだろう？」
「少し⁉︎脚を食いちぎられるかと思った」
「鼠を狙ったんだ、いつもの私は大人しい犬なんだ
ジェームズがよく言ってた。君はずっと犬でいたらってね」
ハリーとブラックでロンを支えながら外へ出る

「尻尾はあっても良いが、ノミはね…」
堪らんよ、と2人は少し仲良くなった様子

ｽｯ

ロンを木の麓に座らせる2人
そして、後からクロウとフィデス、ハーマイオニーが続く

『ハーマイオニー、これを傷口に塗ってあげて』
「分かったわ」
いつまでも泣きじゃくられても困るわ、とクロウは
マートラップの触手液をハーマイオニーに渡す

『ハリー、2人で話して来たら？』
「うん、ありがとう」
クロウはロンに付き添うハリーにそう促す

ｻﾞｯ

「彼女は聡明な魔女だね」
ハリーが近づいて来た事に気付いたブラック

「うん、クロウはすごく優しいんだ」
ハリーは嬉しそうにそう答える

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

「ロン！良いペットだったろう？」
外に出るとすぐにロンに泣きつくペティグリュー
だが、すぐにルーピンとスネイプによって離される