Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ41)

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41.裏切り者③ ページ41

「話はもう沢山だ！リーマス！さっさと殺そう」
「待て」
癇癪を起こし始めるブラックを宥めようとするルーピン

「もう12年間も待った！アズカバンで！」
「良かろう…殺せ
だが、もう少しだけ待て。ハリーには理由を知る権利がある」
その言葉にルーピンはハリーを見つめ
何かを考える表情をして、杖をブラックへと渡す

「全部知ってる！お前が裏切ったせいで！」
ハリーはそのやりとりを聞いて声を上げる

『ハリー、さっきも言ったでしょう
シリウス・ブラックじゃないわ
彼は濡れ衣を着せられていただけよ
ピーター・ペティグリューによってね』
クロウがそう言い放つ
その言葉に本当に全部気づいたのか？、と目を見開くルーピン

「そうだ！この部屋のどこかにいる！
姿を現せ！ピーター・ペティグリュー！」
そう騒ぎ始めるブラックに一つの足音が近づいて来る

ﾀﾞﾀﾞｯ

「“エクスペリアームス”」
武装解除の呪文を唱え、ブラックから
ルーピンの杖を取り上げたのはスネイプだった

「あぁ、復讐は蜜より甘い…
貴様を捕らえたいとどれほど願ったか」
「セブルス…」
ブラックに杖を向けるスネイプを止めようとするルーピン

「お前が手引きしているとダンブルドアに進言した
証拠を押さえたぞ…」
そして、ルーピンにも杖を向けるスネイプ

「お見事スネイプ
その鋭い洞察力でまたもや間違った結論を導き出したか
失礼するよ。リーマスと私はやる事があるのでね」
「理由さえあれば殺してやる」
「血迷うな、セブルス」
「血迷うのが癖なのさ」
「黙れシリウス」
「お前が黙れ！」
スネイプとブラックは皮肉の言い合いを始め、
それを止めようとするルーピンにまで飛び火が飛ぶ

『セブルス、その杖を降ろして』
クロウはまるで良い加減にしろ、と言う様に冷たく言い放つ

「クロウ…なんでここに…」
スネイプはクロウがいる事に驚きを隠せない様子

『鼠の動物もどきであるピーター・ペティグリューを
吸魂鬼に差し出そうと思いまして』
表情ひとつ変えずそう言い、
全員にフィデスの足元を見る様促すクロウ

そこには先程からずっとフィデスの鋭い爪に
首を狙われた状態で抑えられているスキャバーズがいた―

ﾊﾞｯ

ｳﾞｩｩ

気づいた途端、血相を変えるブラックとルーピンに
フィデスは唸り声を上げる

『子供の目の前で大の大人が殺し合いをする気ですか？』
クロウはそう3人に言い放つ
まずは、ハリーに説明をすべきなのでは？、と―