Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ25)

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25.侵入ページ25

初めてのホグズミードから帰って来る生徒達―

「最高に楽しかった！」
「今度はあのお店も行ってみましょ」
『アミーそんなに飛び跳ねたら荷物落としちゃうわ』
クロウはアミーとパンジーと共に3人で行った様子

寮の部屋へ戻り―

『フィデス！ただいま』
フィデスはホグズミードへは連れて行けない為、
留守番をしていたのだ

ｽｯ

『？貴方が他の動物と喧嘩なんて珍しいわね』
フィデスの口に長い黒い毛が一房付いているのに気付き
少し気掛かりに思うクロウだった
その時、マグゴナガル先生から拡声放送が入る

―全生徒、先生方は直ちに大広間に来て下さい―

『フィデス、行こう』
クロウはフィデスと同部屋の2人と共に大広間へと向かう

大広間―

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

「ねぇクロウ
太ったレディがシリウス・ブラックに襲われたらしいわよ」
だから、大広間で寝る様に言われたのね、と
パンジーが話しかけて来る

『だからアミーはあんなに震えてるのね』
アミーの震え様に苦笑するクロウ

ｳﾞｩｩ

「ロヤリテート！君のペット怖いよ！」
『フィデス、大丈夫よ。落ち着いて』
突然、隣を通りかかろうとしたロンにフィデスが唸る

『ごめんなさい、ウィーズリー
ねぇ、その子なんなの？』
「スキャバーズだよ、僕のペット」
『本当に鼠なの？』
クロウはロンが抱き抱える鼠に不信感を覚える
ハリーの記憶で見たあの黒い犬と同じ感覚だ

「パーシーから譲って貰ったんだ」
『そうなのね。それじゃあ、おやすみなさい』
そう言って別れるロンとクロウ
クロウはまた違和感を感じる

『(鼠ってそんなに長生きするかしら…)』
ふと、フィデスの口に付いていた黒い毛を思い出す
そして、他の生徒に見られないよう、廊下に出る

ﾀｯ

『なんてことなの…』
フィデスの記憶を見るとそこには
シリウス・ブラックが黒い犬に変身し、
ホグワーツの敷地内にいた事
それに気付いたフィデスが彼に襲い掛かった事が分かる

『だから脱獄出来たのね…
ダンブルドア先生とスネイプ先生に伝えなきゃ』
吸魂鬼は動物には反応しないもの、と気付いた
クロウは2人の元へと走る

ﾀﾞｯ

『先生方、すみません。話が』
クロウの表情を見て只事ではないのを察したのか
2人はすぐに人気の無いところに来てくれた

「どうしたのかね？」
クロウは2人にフィデスから見た記憶を見せる
役に立つだろうと思って特訓したのだ

「なんと…」
2人はそれを見てクロウに感謝を伝え、
血相を変えて何処かへ行く―