26.狼人間 ページ26
防衛術の授業―
「教科書の394ページを開け」
教室のカーテンを全て閉め、スクリーンを降ろすスネイプ先生
『スネイプ先生、ルーピン先生はどうされたんですか？』
何故、彼が授業始めるのか気になりクロウが問う
「ルーピン先生は今日
授業ができる様な状態ではない、とだけ伝えておこう」
『ご説明ありがとうございます』
珍しく遠回しな言い方だな、とクロウは感じた
ﾍﾟﾗｯ
「先生、夜行性の生き物はまだです」
「黙れ」
ハーマイオニーの一言に不機嫌になる先生
「動物もどきと人狼をどうやって見分けるか分かる者
…いないのか
では、Miss.ロヤリテート」
スクリーンに資料を映し出し、クロウを見る先生
「先生、動物もどきは自分の意思で狼に変身しますが
狼人間は違います。満月が来て変身すると
今までの自分を忘れてしまい、友達をも殺してしまいます
そして、同じ仲間の呼び声だけに反応します」
挙手していたのを無視されたのが
不愉快だった様で勝手に発言してしまうハーマイオニー
「君はいつからMiss.ロヤリテートに？
優秀な彼女に汚名を着せたかったのかね？
そうやっていつも
知ったかぶりをせずにはいられないんだろうな」
「ｯ…」
先生のその発言にハーマイオニーは俯き
周りの生徒達はｸｽｸｽと嗤っている
『スネイプ先生、彼女は勝手に発言をしましたが
内容に間違えは無い筈です。』
減点は免除してあげて下さい、とクロウは言い
隣にいるハーマイオニーの頭をそっと撫でる
「…では、課題のみ出すとしよう」
君の顔に免じてな、と授業を始める先生
ｺｿｯ
『少しくらい反抗したって大丈夫よ
課題大変だろうから今日の放課後、図書室で待ってるわ』
「ありがとう…」
涙ぐむハーマイオニーに微笑み掛けるクロウ
『(それにしても何で体調が悪いのかしら…)』
昨日廊下ですれ違った時は少し顔色が悪かったけれど、と
クロウは何故ルーピン先生では無いのかについて考えていた
『(ここ最近、体調が悪いのだとしたら周期的な何かかも…
今日の夜は満月だけど…)』
今の授業内容と頭に思い浮かんだものが被る―
『(あまり気は進まないけれど…少し気にかかるから)』
そう思い、クロウは夜に限りルーピン先生を
注意する様にフィデスに伝える
それと同様に例の黒い犬に関しても、と
『(もしこの2人に共通点なんかあったりしたら
只事では無いもの…)』
嫌な予感が当たらないように、と願うクロウだった―
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：戯言。 | 作成日時：2021年12月20日 21時
