俺でも日々樹渉になるのは諦める

信念や価値観を犠牲にし成功しても本当の勝利といえない ページ19

人間は生まれた時から一人で生まれ
死ぬ時も一人で死んでゆきます。

孤独は人間の本性なのです。


だからこそ彼は誰よりも人間らしかったと思えました。



だからこそ後輩には…孤独とは無縁なスーパースターになって、｢僕の師匠はこんな人だったんです！｣と馬鹿らしくでも何でも良いから伝えてほしかった｡

俺は高校卒業してもそんな大業成し遂げる気はないからさ｡


この世に、日々樹渉って存在を覚えさせてほしい｡


覚えてくれてるって事は、興味を持ってるって事だから｡


☆☆



転校生が倒れた、という話。

俺はそういうの｢病室のベッドの寝心地ってどんなだろ｣みたいに流していた｡今更な事だよな｡


分かってる分かってる｡

俺がお見舞いに行ったら｢しんどいんで何もしないでください、反応する気も起きないんで｣とか塩対応されそうな気がする｡
きっと他の奴が行ったら｢学院の調子はどう？裁縫とか出来てる？｣とか仕事を求める癖に｡


まぁ、ウザがられると承知のうえで、俺は彼女の見舞いに行ったけども｡こうしてこその渉だよ｡

前副会長流星隊の正義感の強さを引き継いでるのか何なのか｡



勿論！怒られたけどね！


なんで窓から入ってるんですか馬鹿なんですかとか言われたけど！それは俺が悪かった！！


それに加えて、見舞いの花を差し入れた途端のキレ顔は酷かった｡

…そりゃうっかりして赤い薔薇渡したけどさ…捉え違いしないで…｡

まぁ、思い出して８本だけ渡したし｡




因みに、その時の転校生のポツポツとした話を聞いたりもした｡…ていうか、心のなか。

最低とか言うな。分かりやすいんだよ小娘。


SSに向けて頑張ろうって息巻いて。
入院とかしてられないって無茶して。




…叶えてあげたかったのだ。


他の五奇人は後輩になんやかんや慕われてるけど、俺だけそんな奴居ないし。

結構貢献してるんだよ？影ながらDDDで一番頑張ってたの俺よ？
…まぁ、それでも良いからってやり続けてた訳だけど。



SSで、勝たせてあげたいって思った｡

その為には勢いだとか身に付けてほしかったから…結構、そうならない事に苛々してたんだ｡


そうして、放った言葉は俺の｢舞台上で誰かが死んでも、観客にそれを悟らせず最後まで演じきり楽しませるのが役者だ｣というモットーだった｡


北斗はそれにカッとして｢演技でも死ぬとか言うな！｣って｡



馬鹿じゃねぇの｡

俺にこそ理解できないよ,お前らの事｡


俺は、それでも演じてきたのに｡

愛を言葉にする者は愛の重みを知らぬ為本当の愛を知らぬ可哀想な者→←今も必要なものって,生まれた時に持ってる｡

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