ギンジヘラる ページ5
『ただいまあ』
ギンジは帰ってきている。
Aよりも先に
靴箱の上のトレーに鍵が置かれているし、
玄関には靴が片足だけだが、落ちている。
それなのに、家の明かりが全くついていない
なんとなく、嫌な予感がしたAは、早歩きで廊下を通り抜けリビングに入る。
リビングのドアを勢いよく開けると
ソファから長い四肢を放り投げて横になっているギンジがいた。
法的によろしくない薬が大量に入っていたはずの瓶が空になり、割れている
その周りには注射器や
空の酒瓶が転がっていた
『ギンジ、ただいま。』
目を合わせるようにソファの前に立ち声をかけると、
ギンジはAソファを押し倒した。
腹をえぐるように、あてられた冷たく重みのある拳銃は
焦点のあってないギンジに持たせるには些か危険がすぎるものだ。
ギ「どこいっとったん」
『どこって、GPS見てればよかったじゃん』
ギ「GPSなんて簡単に誤魔化せるじゃろ!!」
そう言って、ギンジは部屋のついていない照明を撃った。
落ちてきたガラスがAの頬を傷つける
『ねぇ、どないなつもり?別れたいの?』
眉一つ動かさず、冷たい視線を向けるAに、ギンジは顔を青くして
縋った
ギ「ごめん。A、ごめん。おらんようならんで。おらんようなるんじゃったら、Aを殺してわしも死ぬ」
『おらへんくならへんで。早う病院行こ』
控えめに頷いたギンジを確認したAは、スマホを取り出し、数人のお仲間に連絡した
『あ、もしもしカズぅ?うん、ギンジ。車お願い。モルクリニックまで
ちょいキメすぎてはるさかい丁重にな』
『せんせぇ?今から個室で予約入れてええ?デトックス多めに。OD気味でへらってるさかい数日しんどなるくらいやったら麻酔効かしてええわぁ。よろしゅう』
ほなギンジ少し寝とってや。
そう言ってAは、ギンジにかなり重たい腹パンを食らわせた。
そして病院に連れていき治療も完了
病院のベッドで魘されているギンジを、
ただただ、彼女は見つめているだけだった。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2024年3月17日 23時