episode534 No side ページ35
No side
世界中の人々が地ならしを前に逃げ惑う。
巨人たちの、足元で一生を終える。
どんなに逃げても
叫んでも、泣いても、祈っても。
地ならしは止まらない。
ドォオオオオオオオッ__
「ダメだ…もう1機も残っていない…」
レベリオから汽車を使い、飛行船が備わるスラトア要塞までたどり着いた彼らはもぬけの殻となった要塞を目前に
絶望の表情を浮かべた。
スラトア要塞から飛び立った飛行艇は
進んでくる巨人たちへ向かっていく。
「全ての飛行船が出撃している…この攻撃に…
人類全ての運命をかけるつもりだ」
ガガガッ_
「飛行船部隊とこの要塞にいる全ての兵士に告ぐ
ここが人類に残された最後の砦となる…」
要塞の司令塔より放送が響く
「諸君らの双肩にのしかかる重圧は計り知れない
だが…結果がどうであろうと
決して、諸君らだけの責任では無い。
この責任は…我々全ての大人達にある」
スラトア要塞にたどり着いたマーレ兵もエルディア人たちもその目で巨人たちを…その中心にいる進撃の巨人をとらえた。
「憎しみを利用し、憎しみを育み続け、憎しみに救いがあると信じ…
我々が至らぬ問題の全てを悪魔の島へ…A・フリッツへ吐き捨て続けた
その結果…あの怪物が生まれ、我々が与え続けた憎悪を返しに来た…
もしも再び未来を見ることができるなら…
二度と同じ過ちはおかさないと…私は誓う」
司令塔にいる人物は、眉をひそめて唇をかみ締めた。
全てはA・フリッツの平和を想う心を無下にした選択から始まった。
「再び明日が来るのなら……
今1度…A・フリッツの言葉に耳を傾けよう」
__私の目指す世界は、全ての人類がお互いの違いを受けいれる世界。__
かつて、レベリオ収容区で行われた演説で彼女の言葉が
人々の脳裏に浮かんだ。
真実を知らず、偽りの歴史で彼女を迫害した間違いの報いが今目の前にある。
__彼女は人類の宝であり、愛ある思想を我々は崇めるべきである。彼女こそが全てのエルディア人の母であり、神である。
彼女を悲しませてはならない。
彼女を怒らせてはならない。
愛ある彼女が全てを見放した時、世界は平らにならされるだろう
彼女は神である___
グリシャ・イェーガーの手記に記された言葉は真実であった。
episode535 No side→←episode533 アルミンside
85人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:猫まる | 作者ホームページ:
作成日時:2024年1月19日 11時