七話 ページ8
××
司「おねっ、お姉さまは司がお嫌いですかっ……!?」
『そんなわけない!!』
司「ならどうしてっ、そ、そんなことを……っ………!」
『ごめんね司ぁ……泣かないでぇ……』
司「な"い"て"ま"せ"ん"!!!」
「大好きです!」と、あんずと同じようなことを言いながら涙を流す司を抱きしめる。震えた声で「お姉さま」と言葉を紡ぎ、震えた腕で私を抱きしめる司にかつてないほどの罪悪感が私を襲った。
私が泣かせてしまった。可愛い後輩を、私のせいで。
なんて考えていたら少し目を赤くした嵐が「どうしてもやめるの?」と優しい声色で聞いてきた。それに対して私が弱く頷くと、更に司に強く抱きしめらる。
どんなに聞かれても私の考えは変わらない。
………ううん、
きっともう、変えられない。
あんず「もう大丈夫そうですね。私は先に戻って先輩方のレッスンをしてきます」
『うん、時間取らせてごめんね』
あんず「ふふ、このくらい構いませんよ。
嵐ちゃん、司くん、Aさんをよろしくね」
司「おまかせくだいっっ!!!」
嵐「ええ、あんずちゃんも無理しちゃダメよ?」
嵐ちゃんの言葉に「ありがとう!」と言ってフワッと微笑んだあんずは、そのまま会議室を出ていってしまった。
会議室に取り残された私たちは、とりあえず泣いてる司を宥めようとするが、どんな方法も失敗に終わった。どうしようかしら、と頭を捻らせる嵐を横目に私は司を力いっぱい引き剥がす。
すると、まあ当然の如く司は更に涙を溢れさせ、弱々しく「お姉さま?」と呟く。
悲しいときは楽しいことするのが一番だってあんずも言ってたしな、なんて考えた私は口を開く。
『カフェに行こう!』
唐突な提案に目を丸くした二人は目を合わせると、数秒後、ニコッと笑って首を縦に振ってくれた。
面倒だと思ってた人間関係だけど、久しぶりにもっと話したいと思えた。…………ううん、きっと、この二人がそう思わせてくれたんだね。
優しい後輩に感謝しなければ。
私は笑顔が戻ってきた司と嵐の手を強く引いて、会議室を飛び出した。
××
1183人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます!とても励みになります!!不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる!!お話もとても面白いので更新楽しみにしてます!頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年2月12日 22時