52.シンドバッド訪問 ページ2
[A]
A「そういえば…あの黒冥とかいう皇子は…」
ジュダル「あいつなら俺が追っ払ってやった。
もう求婚を求めて来ないらしいぜ。」
ジュダルのやった感ぶりを見れば、
相当怯えさせられたのだろうと察した。
けど良かった…
せっかく好きな人が出来たっていうのに
好きでもない人と結婚したくなかったもの。
A「ほんと、何から何までありがとう。
お陰様で救われたよ。」
ジュダル「そうか。なら良かった。
お前はそうやって笑ってればいい。」
わしゃわしゃと私の頭を雑に撫でる
彼の行動が、夢の出来事を思い出してしまう。
本当に夢…だったんだよね………
ジュダル「そういや今日バカ殿が来るらしいぜ。」
A「え！シンが！？」
確かシンはバルバッドの時に
１ヶ月後に煌帝国と会談があると言ってた。
それが今日なんだ。
久しぶりのシンとの再会にワクワクし、
病み上がりの体だがシンの所へジュダルと行った。
ジュダル「よぉ！バカ殿！！」
シンドバッド「ジュダル！？
それにA！待たせてすまない。迎えに来たぞ。」
A「え……迎えにって…？」
シンドバッド「元々Aはジュダルに攫われた身。
俺が煌帝国に会談にくるまで待ってろとの話だった。つまり、今日俺がここに来たということは、お前はシンドリアに帰ってきていいと言うことだ。」
そんな………でも、私……
もっとジュダルと一緒にいたい。
心がそう言った気がした。
だって好きな人が出来たんだよ！？
それなのにお別れなんて……
シンドバッド「さぁ、A。
帰ってこい。シンドリアに。」
手を伸ばされるが、
握ることが出来なかった。
A「私………」
チラッと何も言わないジュダルを見て、
決めた。
A「私もう少し煌帝国にいたい！」
ジュダル、シンドバッド「…………！？」
シンドバッド「どうしてだい？
君とはシンドリアの国を支えるために
共に冒険してきたのに。」
A「シンは煌帝国に来たことは今回が初めて？
今まで色んな国を巡ったけど、ここも素敵な国よ。
綺麗な夜景に、綺麗な花畑、
面白い闘技場やダンジョンも沢山。
冒険に満ち溢れてると思わない？
私もっとここにいて東大陸では知らない
沢山の事を学びたいの！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花月 | 作成日時：2020年10月16日 2時
