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「そうかよ」
目線を伏せると、コツコツと音を立てて近づく。
「なら、仲良くしてもいいだろ？」
数分前までリリーの手を握っていた手持ち無沙汰の手を取られ、何事もなかったかのように歩き出す。
「、ちょ」
強引な彼の行動が読めない。
引っ張られたのに、強引さはあるものの優しい。
「シリウスやめて」
「あ？」
瞳がAを捉える。
「痛かったか？」
違う、そこじゃない。
「仲良くしたいと思ってないって言った」
「なんでだよ」
「何でも」
間一髪入れずに応えると、考え込むようにして、ハッと思い出したかのように
「この前のスニベルスのこと怒ってんのか？」
と、大真面目に答えた。
「スニベルスじゃない、セブルス」
怒ってんのか？ 怒ってる
大事な友達をあんなふうに言われて怒ってる。
それは当たり前。
でも、ちがう。
それは許せないけど、
あなたと関わると、
私と、私の大切な師匠の命がなくなるかもしれないなんて、
言えるわけが無い。
「あぁ、あぁそうだな、あいつの名前はスネイプだったな」
ほぼ棒読みで言う。
律儀に止まってくれていた足はそのまま動いた。
手を離してくれたから、そのまま着いていく。
温もりが離れていって、外の寒さを改めて体感する。
このまま外にいても寒いだけ。
「A」
「なに」
「なんでホグワーツに残ってんだよ」
「姉さんが忙しいから」
「…へぇ、」
「…」
「姉ちゃんいんだな」
「、そう…いるの」
正確には居たの。
本当の姉にはもうきっと会えない。
元気で、と送り出してくれた優しい姉、クロエ。
「俺はただ家に帰りたくないだけ」
「…でしょうね」
「…、！」
「え、？」
前を歩いていたシリウスが急に止まる。
危うく鼻をぶつけそうになる。
何かおかしいことを、
「、なんか、お前と初めてちゃんと会話した気がするわ」
そう言って振り向いたシリウスの驚きつつも、満足気な顔をAはしばらく忘れられなかった。
口に手を当て、水晶のツヤツヤをそのまま移したような瞳は大きく見開かれ、振り向いた反動で黒髪は少し揺れた。
その一連が、何だか綺麗だな、と思った。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
