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「じゃあね、愛称」


しょん、と垂れてしまった耳が見える。
リリーはクリスマス休暇で家に帰る。セブも一緒だ。彼は家であまり上手くいっていないようで、帰宅するのが嫌そうで浮かない顔をし続けているけど。


年に数回しか動くことの無いホグワーツ急行が動くこの日に、親友2人を見送りに駅へとやってきた。


ライラ達にも先程別れを告げたところだ。

彼女はお菓子をお土産に持ってくるね、と律儀に言ってくれたが、きっと我慢できずに汽車の中で食べてしまうのではないかと思う。



リリーがうるうるした目でこちらを見てくる。
家においでよ!と誘ってくれたのを断ったのもあるのだろう。フィガロが危険にさらされている今、下手にAも動けない。


ホグワーツが魔法界で一番安全なところなのだから。





「今生の別れじゃないから。それに、お手紙書くから、待っててね」


リリーに目線を合わせて、手をぎゅっと握る。


「ほんと!!??私も愛称に書くわね!」



2人のやり取りを見守る彼にチラリと目線をやる。


「セブも、ね?」

「…あぁ、」


心做しか顔が晴れやかになった。





汽笛の合図とハグリッドがみんなを急かす声が聞こえる。


「汽車が出ちゃう、行って」




急かすと、今度はリリーがAの手をぎゅっと握って、「約束よ!」と一言言い、今度は笑顔でセブの手を引き、一緒に汽車へと乗り込んだ。


コンポートの中で楽しげに笑う2人に手を振りながら、ホグワーツでのクリスマスは始まったのだ。




去りゆくホグワーツ特急を名残惜しげに見ていると、特急の煙が見えなくなった頃に後ろから声をかけられた。





「A」




「…」




「無視しなくてもいいじゃねぇかよ」


口角が悪戯げに上がる。
顔にかかった漆黒の髪はいつ見ても艶やかだ。




「仲良くしたいと思ってないから」

「俺がブラック家の人間だから?」





「、ちがう」





完全に否定したかった。


家柄を見て嫌っているわけじゃない。


組み分け帽子がグリフィンドールに選んだ時点で、悪意のないブラック家の人間であることはわかっている。




ブラック家の子息でありながら、グリフィンドール生というレッテルを貼られる彼をせめても否定したかった。



それくらい彼の瞳は妙に苦しげで揺らいでいた。


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.→←ブラック家の異端児たち



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設定タグ:ハリポタ , ハリーポッター , 親世代   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます!嬉しいです、カメさんですが頑張ります!! (2022年9月20日 21時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです!頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月10日 13時

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