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No side
回想___
それは五条が記憶をなくすまでアルコールを摂取してしまった日の、蓬しか知り得ぬ話。
蓬「悟ー着いたよ」
五条「んー…」
下戸の癖にアルコールを大量摂取した五条はこの時から既に記憶がなかった。
酔った五条をどうするか蓬と家入の間で話し合ったのだが、案の定家入は面倒だからと五条を蓬に押し付けたのである。
嫌ではなかった蓬は二つ返事をして了承した。
五条「ここどこぉ…?」
蓬「私の家だよ。来たことなかったっけ」
五条「へー…」
蓬「そんだけ?」
素っ気ない返事をした五条を苦労しながらベッドまで運び、座らせる。
どうして一人暮らしである蓬のベッドがダブルベッドであったのかは誰にも分からず、これまた蓬本人しか知り得ないこと。
蓬「今どんな気持ち?」
五条「はー?んなの…知らねーよ」
蓬桃奈は五条悟が好きだ。
例え五条に思い人がいようと、恋人がいようと、隙があって五条が了承さえすれば一線を越えようとするくらいには好きなのだ。
故に。
蓬「悟。私は如月さんじゃないけど、代わりくらいにはなるよ?」
と甘えたような声でいい、上着を脱ぐ。
因みに甘えた声は如月を参考にしていた。あんなに毛嫌いしていたというのに必要となれば彼女の技を盗む。
抜け目ないのが蓬桃奈という女。
五条「………」
五条はぼーっと服を脱いでいく蓬を眺めていた。
蓬「そ、そんなに見られると恥ずかしいんだけど…悟…えっと優しくしてね?」
五条「…無理」
蓬「へ?」
五条はそのままベッドに横たわる。
五条「桃奈相手だと勃たねーから。つかA以外を抱く気もねーし。おやすみ」
上に何も着ていない蓬を放置し、五条はそこで眠りについた。
蓬「………」
蓬はこの時、五条の髪を全部抜いてやろうだとか、坊主にしてやろうだとか思ったとか思っていないとか。
蓬「…っ、いいもん!!そっちがその気ならこっちだって嫌がらせの一つくらいしてやるし!」
蓬はそう口に出して上だけでなく、下に身に付けていたものもほぼ全て脱いだ。
そして寝ている五条の隣に潜り込み、自身も就寝した。
これにより翌日の状況が完成したというわけである。
翌朝、記憶のない五条は蓬と一線を越えてしまったのだと見事に勘違いしたのだから、蓬にとっては大成功も同然だった。
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時