最強が浮気しやがった【五条悟】

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五条「…僕が言うのもあれだけど本当にこれでいいの？」





間も無く五条の住んでいるマンションが見えてくるだろうというところで唐突に彼は言った。





『…正解はアンタと離れることだったんだろうなとは少し思ってる』





ぽつりと零した言葉に五条はばつの悪そうな顔をして。





『でもその正解を選べなくなるくらい私は五条が好きなんだよ』





恋は盲目なんて言葉を作ったのは誰だろう。




その通りすぎて笑えてくる。





『五条こそこれでいいの？』





五条「いい。…寧ろこれが最上の結果」





悩む素振りも見せず言い切った五条は繋いでいた手をぎゅっと握り直して私の隣を歩く。





『…そういえば七海が来る一日前に高専から一週間後に遣いを送るって言われてたんだけど誰か知ってる？』





五条「あぁ、それ？僕のことだよ。学長に行けって言われてさ。まあ僕的には言われずとも行くつもりだったから了承したの」





『……どう足掻いても五条に会うことは避けられなかったわけだ』





高専からの遣いだと言われれば無碍には出来ないから、今回五条を門前払いしていたとしても、一週間後には絶対会わなければいけなかったということになる。





五条「罰なら幾らでも受けるよ。Aが望むことならなんでもする」





『じゃあ口にユーカリ詰めて東京湾に沈んでくれる？』





五条「そういう命に関わることはやめてもらっていい？本末転倒だから」





『ふっ…ふふ』





笑ってしまった私を驚いた顔で見る五条。





『良かった。…五条とまたこういう話ができて』





世間一般で正解とされている行動が、個人にとっても正解であるとは限らない。




そもそもの話、自分の人生において何が正解だとか間違っているだとかそんなものはないのかもしれない。





五条「僕もだよ」





五条はそう言って人の目があるにも関わらず私を抱き締める。




いつもなら恥ずかしいからやめろとか言うけど今回に限っては恥ずかしさなんてなくて。





五条「もう絶対離したりしないから」





『…私も離されないよう頑張るよ』

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