三十五 ページ36
現在___
『ごほごほっ…!!』
自分の咳で目を覚ました。
見知った天井と落ち着く匂い。どうやら此処は寮の自室らしい。
今私が見ていたのは単なる夢じゃなくて…
家入「A!!」
『うっ…』
名前を呼ばれたかと思えば次の瞬間にはキツく抱き締められていた。クラスメイトである家入硝子に。
『硝子…?』
家入「良かった…本当に良かった…もうこのまま目覚めないんじゃないかって…」
『私確か…』
“彼”に首を絞められて___
『っ!五条君は!?』
家入「あのクズも気を失って寝てる。そんでもって夏油が見張ってるよ」
『気を失ったってなんで…ていうかどうして私生きてんだ…?』
確かにあの瞬間死んだと思ったし、謎の女性は死ぬと言っていたのに。
家入「夏油の部屋って五条の隣でしょ。で、昨日の夜騒がしいと思った夏油が五条の部屋に様子見に行ったんだけど、鍵は掛かってるし、騒がしいままだしでおかしいと思ってドア蹴破ったんだって」
状況が状況だから仕方ないとは思うが、ドアを蹴破るって…夏油君…あの人そんなにワイルドだったの?
家入「そしたら五条がAの首絞めてたもんだから動揺しちゃって全力で五条のこと殴ったらしい」
『そりゃあの人でも伸びるわな…』
家入「A、五条と何があったの」
『んー…色々…かな?』
何があったのかなんて一言では伝えきれない。私が見ていたのは夢なんかじゃなくて、過去の自分だった。
根拠はないけど、謎の自信がある。それに私の首を絞めたあの人は次期に思い出すとも言っていたし。
それにしても前世の私があんなに性格良くて、言葉遣いも綺麗で、良家のお嬢様だったなんて驚きでしかない。
『このこと、夜蛾先生には?』
家入「まだ言ってないけど…」
『じゃあ言わないでくれる?』
家入「え、なんで?」
『これは私とあの人の問題だから』
悟さん…過去の私が愛し、幸せになって欲しいと心の底から願った大切な人。
彼女が…過去の私が彼に出会わなければ良かったと思ったのは自分が死んでしまうからなんて理由じゃなかった。
貴方を不幸にしてしまったから出会わなければ良かったと彼女は思ったんだって伝えに行かなきゃいけない。
『じゃあ五条君のとこ行ってくる』
家入「ちょっと、A!?」
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時