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三十四* ページ35

五条side




僕に押し倒されたAは目を潤ませていた。




「僕がどんな気持ちでいたのかも知らないで、自分は他の男とすることしてたんでしょ?そりゃAは幸せだよね」




未だに状況が理解出来ていない彼女は抵抗なんてせず、ただ困惑した様子で僕の名前を呼んでいる。



Aは隣街の男を愛していると言った。僕に向けていたものと同じ笑みを浮かべて。




「僕にはAしかいなかったのに。Aはそんなことなかったんだね。雅の人間ってみんなそうなの?他人の不幸を見るのが快感なわけ?」



『何…言って…』



「幸せになってくださいって…馬鹿じゃないの。誰のせいでこうなったと思ってんだよ」




一度目の不幸は雅の男によって。二度目の不幸はその娘によって(もたら)されたもの。もう笑うしかない。




「一人にしないとか言っておいて、結局君も僕を裏切った。しかも子供まで作って僕の前に現れるとかどういう神経してるの」



『悟さん…私は…!』



「もう何も聞きたくないから黙れよ」




冷たく言い放って彼女の唇を奪う。深く口付ければ、彼女の目からは涙が溢れ出していた。




「…やっぱり僕はこんな世界で生きていたくない。望んだものが何一つ手に入らないどころか、ずっと一人の世界なんて。だからさ、終わりにしようか。A」




そっとAの首を撫でれば、流石にまずいと察したのか抵抗を始める。




『嫌…!!離して!』




抵抗していたAの手が僕の頬を打つ。



これで彼女に打たれるのは二度目かと乾いた笑いが溢れて、Aは僕の頬を打ってしまったことに動揺したのか動きが止まっていた。




「ねぇ、A。愛してるよ」



『え……?』




首を軽く押さえてから言った言葉にAは間抜けな声を漏らして。




「愛してるんだよ、本当に」




手に力を込める。




『っ……や、め…』




もし。



もし来世というものがあって、また君に出会えたとしたら。





次こそは____




 






 



 




「……君と二人で幸せになりたい」

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2022年1月17日 20時

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