検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:27,418 hit

6ページ目 ページ34

No side


ミクとグミが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
服も着替えられ、腹部の傷も丁寧に治療がなされていた。
奥では何か煮ているのだろう、コトコトと言う音と共に何やら美味しそうな匂いがする。

ミク「ここ、どこだ」
グミ「いや、わからん」

2人はキョロキョロと辺りを見渡した。
そして考えた。
ここは何処かの宿なのか。
自分達は何故ベットの上に居るのか。
ジャックとオロバスは無事帰ってきたのか。

2人は息を合わせてジャックを呼んでみることにした。
ミクグミ「「せーの、」」


すると、


「ああ。起きたのですね」

2人は咄嗟に身構えた。
部屋の入口には見たことの無い女が立っていた。

「良かった。今、どこか痛みますか?」
2人は身構えたまま静かに首を横に振った。

「そう。ちょっと待っていてくださいな。」

そう言って女は奥へ行こうとした。
グミ「待ってください!」
グミは思わず大きな声を出した。
あまりに大きすぎたので、自分でも驚いた。
女が怪訝そうに振り向く。

グミ「その……ありがとう、ございました」
そう言うと、隣でミクもぴょこんと頭を下げた。

女は一瞬驚いた顔をして、
うふふ、と笑った。



「貴方達、人間では無いでしょう?」

その女は近くのテーブルに2人分のスープを置き、 椅子に腰掛けながら自分の前にはアンティークな陶器のティーカップを置いた。

そしてミクとグミにこっちへ来いと軽く手招きをした。
「怖がらなくても良いのです。自分もまた、人ではありませんから」

2人は恐る恐る近づき椅子に腰掛ける。
「さ、召し上がれ。話は食べながらにしましょう」

いただきます、と、食事の挨拶をしてスプーンを手に取り食べ始める。
美味しい、と、ミクが小声で呟いた。

「そう。良かった」


グミ「ええと、貴女は人では無いのですか」
「そうですね。限りなく人に近い形をした人外、でしょうか」
女が自分のティーカップにミルクと紅茶を入れながら答える。

ミク「御国、どこ」
ミクは警戒しているのか、いつもの元気は何処へやら、小声でポツリと呟いた。
「元からここの国に住んでおります。住民達からは、妖精、と呼ばれていますよ」

自らを妖精と明かした女は、ここに来る迄の経緯を話し始めた。
「お妃様が御妊娠されたと聞き、城へ行こうと思って馬を近くに待たせて裏路地を通っていたら、明らかに人では無い子供が2人倒れていたのです」

7ページ目→←5ページ目


ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
設定タグ:ハッピーヒロインスナイパー , ボカロ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シグレ(プロフ) - すごい面白いと思います!文章力とゆうか語彙力がすごいです!違和感なく読めました (2022年8月22日 21時) (レス) id: 860ccc7a5a (このIDを非表示/違反報告)
箱白(プロフ) - かわよ...大好き......... (2022年4月23日 19時) (レス) @page41 id: 812304a9b7 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの乳酸菌飲料 - 本日初めて読ませていただきました!物語の構成がとても綺麗で面白かったです……! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 3c06ff6ad4 (このIDを非表示/違反報告)
夜干(プロフ) - Jackさん» ありがとうございます(*´ω`)頑張ります! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68f9ca822b (このIDを非表示/違反報告)
Jack - 面白いですね…自分は好きです。 頑張ってくださいね,更新を期待してますので(ニコ) (2020年1月28日 20時) (レス) id: ce46b76302 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜干 | 作成日時:2018年12月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。