【話集】fluff

1-17 childhood ページ17

若武side

今日は土曜日、秀明が午後からあるので、我々サッカーKZは午前中のみ秀明グラウンドにて練習をした。

サッカー練が終わったあとは一旦帰宅して、着替えたり、昼食を食べたりしてから、秀明へ向かうのが、大体のルーティン。

「じゃあ、また午後。」

KZの奴らと挨拶し、それぞれがそれぞれの家路につく。

俺は最近買ってもらったばかりのロードバイクに飛び乗り秀明グラウンドを後にした。

秀明グラウンドを出てから駅前を通り抜け線路に沿って南下する。少ししたところで線路を東に渡った。

広めの道路でバイクを飛ばしているとお揃いの紺地に赤の線が入ったジャージにエナメルバッグを背負った女子集団が道を挟んだ向こう側で騒いぎながら歩いていた。おそらく部活帰りだろう。駅に向かっているのだろうか。

いつもならうるせぇと思いながらもちょっとかっこつけたりしてバイクを飛ばすんだけど、その時は思わず立ち止まってしまった。

周りの女子たちから飛び抜けて高い身長。そう、昨日アーヤと一緒にいたアイツがその中にいたから。

思わず顔を顰める。

「女の中に男1人とかタラシかよ。」

なおもこちらに気づかずにポケットに手を入れながら、笑顔で歩いていくソイツを見送ってからは俺は不機嫌なまま帰宅した。

「これはアイツらに知らせないと。」

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