薄桜鬼〜三番組組長の右腕〜

親友 ページ4

屯所に戻った後､私は状況を説明するために沖田さんに千鶴を任せ土方さんの元へ向かった｡
貴｢...という訳です｡｣
土｢なるほどな｡詳しい話はあいつが起きてからだ｡...一応覚悟はしとけ｡｣
貴｢はい。失礼します｡｣
土方さんの言う覚悟とは千鶴の｢死｣だ｡
2年ぶりの再会は最悪なものだった｡

斎｢...大丈夫か？｣
屋根の上で空を見上げていると下から遠慮がちな斎藤さんの声が聞こえた｡
飛び降りて斎藤さんと向き合う｡
貴｢斎藤さんありがとうございます｡私は大丈夫ですよ？｣
斎｢あんたは不安な時や緊張している時、何か悩み事がある時はいつもそうしている｡｣
貴｢...｡｣
斎｢あの娘と知り合いなのだろう？｣
貴｢千鶴は江戸にいた頃に出来た唯一の親友なんです｡｣
斎｢良いのか、明日同席しないのだろう？｣
貴｢仕事を放り出せませんから｡｣
斎｢そうか｡｣
深く詮索してこないのが斎藤さんらしい｡
貴｢おやすみなさい､斎藤さん｡｣
斎｢あぁ。｣

...昨夜そうは言ったもののやっぱり千鶴の事が気がかりだった｡
1日の仕事を終え屯所に戻ってくると斎藤さんがいた。
斎｢ご苦労だったな｡｣
貴｢斎藤さんもお疲れ様です｡...あの､千鶴は？｣
斎｢綱道さんの娘と言うことで新選組で身を預かることとなった｡｣
貴｢綱道さんの...！そうだったんですか､よかった...｡｣
斎｢知らなかったのか？｣
貴｢はい｡お互い親には会ったことがなかったので｡｣
斎｢そうだったか｡俺はこれから雪村の監視に行くが、くるか？｣
貴｢いいんですか？｣
斎｢親友､なのだろう？｣
貴｢斎藤さん､ありがとうございます！｣

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