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本当は ページ23

薫「俺は雪村千鶴の双子の兄なんだ。」
貴「双子の兄。」
千鶴からは兄がいるなんて聞いたことがない。
けど初めて会ったはずの千鶴の名前を知っていること、そして似すぎている容姿からして本当のことなんだろう。
薫「俺達は東で最も大きい鬼の一族、雪村家に生まれた。人間達に村を滅ぼされた俺達はばらばらになったんだ。」
薫は自分の過去を話し始めた。
ばらばらになった2人はそれぞれ南雲家と綱道さんに引き取られたこと。
南雲家に引き取られた薫は女鬼ではないという理由だけで本当に酷く扱われたこと。
南雲家の人々を殺し、千鶴を助けに行こうとしてたこと。
それらを私は黙って聞いていた。
薫「それなのに千鶴は自分が鬼だということを忘れ、村を滅ぼした人間達を慕い大切にされている。だから教えてあげるんだよ。自分が何者なのか、何も守れない自分の無力さを!」
貴(あぁ...薫は私と似ているんだ。羨ましいんだ、幸せそうに育った千鶴が)
薫「千鶴には俺が必要なんだよっ!」
そう叫んだ薫を私はぎゅっと抱きしめた。
いつか私がしてもらったように。
薫「なにしてっー」
貴「もういいんじゃない?今までずっと1人で頑張ってきたんだから。」
薫「な...んだよ。知ったようなこと、言うなよ。お前になにがわかるんだよ。」
貴「私もね親を殺されたんだ。それで自分も命を落としかけたことがあるの。」
薫「え...。」
貴「だからわかるよ。ひとりぼっちで痛いのも、苦しいのも、寂しいのも。だからもういいんじゃない?甘えても。あなたは充分苦しんだんだから。」
薫「...苦しかった、悲しかった、痛かった...」
貴「うん。」
薫「...1人で寒くて、暗くて、寂しかった。嫌だった、何もできない自分が悔しかった...!」
すがりつくように抱き締め返してくる薫。
薫「だから見返してやろうって、俺のことを忘れた千鶴に、俺と同じ思いをさせてやろうって...。でも俺...本当は、こうやって誰かに抱きしめてもらいたかった...!」


子供のように泣き出した薫を私はずっと抱きしめていた。

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シルバーウルフ - 最初から全て読ませてもらいました。凄く面白いです!!!!(o・ω・o)更新再開楽しみにしてます。(*^^*) (2020年8月7日 15時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
咲耶(プロフ) - ノドカさん» ありがとうございます!どんどん更新できるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
ノドカ - とても面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年1月27日 19時) (レス) id: 94062155e7 (このIDを非表示/違反報告)
咲耶(プロフ) - ミリアさん» とても嬉しいです!更新を早めにできるように頑張りたいと思います。今後の作品の参考にさせて頂きますね。応援ありがとうございます! (2017年12月3日 0時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったら薄桜鬼とコラボかトリップか転生したワールドトリガーの三雲隊か三輪か天羽の姉か妹かアニメKの作品が読んでみたいです説明が下手だったらすみませんこれからも更新頑張って下さいね (2017年12月1日 15時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年9月9日 18時

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