五節 ページ27
九条「今日も変わらず普通の教室であったと。」
鵜久森「はい、でも…。」
九条「何かありました？」
鵜久森「いや…何かこんな私が他の人のこと気にするのもあれなんですが…」
鵜久森叶は、今朝見た瓜生陽介の様子を九条里奈に全て話した。
鵜久森「前の夜に家で泣いてしまった日は自分が泣いたことが皆にバレないか何度も顔を確認しちゃうんです。だから、瓜生君に何かあったのかと気になってしまって…」
九条「そうですか」
九条里奈は、心当たりがあるのか少し考えた素振りを見せる。が、直ぐに元に戻り、鵜久森叶の目をしっかりとまた見た。
鵜久森「あの発言の後、学校に来ることだけで満足してちゃいけないので、もっと皆といい学校生活ができるように頑張ります、自分でも」
鵜久森「先生が変えてくれるのを待つだけじゃなくて、自分も変えていこうと思うので」
＿＿＿＿＿
HRが終わり、挨拶をしたら生徒の皆は勢いよく教室から出ていった。
勿論、相楽琉偉達もさっさと鞄を持ち後ろの扉から教室を出ていく。
その隣を歩く咲倉Aは何かを思い出したかのように声を発した。
「ごめん先行ってー。忘れもんした」
やらかした。そんな顔をする咲倉Aに相楽琉偉は残念そうに言葉を零す。
相楽「えー、外で待ってる」
少し不満気な顔を見せてそう言った彼は、咲倉Aの返事も聞かず迫田竜輝たちを連れて玄関に繋がる階段を降りていった。
＿＿＿＿＿＿
3年D組に戻ってきた咲倉A。
特に忘れ物をした訳ではなく、何しに来た訳でもない。只々自分でも分からないが、席に座りボーッと教室に入ってくる赤い夕陽に照らされている。
窓の外からは下校途中の生徒の声。
凄く賑やかでも何だか自分の心には何にも響かない。そんな感じになってしまった自分に心の中で嘲笑う。
ふいと、顔を前に向けると何時もそこに立っている九条里奈の面影が見えて瞬時に目を閉じた。
これは多分たまに来る謎の焦燥感。
何故か分からないけれど一人になりたくなるやつ。何故か分からないけど全てがめんどくさくなるやつ。
体内時計では数分しか経っていない筈なのに現実では15分と結構時間が経っていた。
「そろそろ…琉偉たち探しに来そう…」
大きく吐く溜息を教室に残し、玄関に向かう。
階段を降りると目の前にいるのは椅子に座る鵜久森叶の姿だった。
「……なにしてる訳…」
鵜久森「ぁ、えっと…咲倉君…」
「……もう誰もいなかったけど」
鵜久森「そう…なんだ…ありがとう」
咲倉Aのその言葉を聞いて残念そうな顔を見せて玄関に向かって歩いていった。
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
