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221話 ページ34

カリッと親指をかじり血を出すと、手を屋根に叩き付ける。


A「…口寄せの術!」


ボフンッと煙が上がり、出てきたのは茶色の毛をした猫…コテツだ。


コテツ「よぉ…Aって、なんじゃこりゃ!?」


珍しく取り乱すコテツ…いやそうでもないか。
とにかく、今の状況をザッと話す。


A「と、言うわけで敵の臭い…嗅ぎなれてない臭いとかない?」

コテツ「そしたら…どうするんだ?」


コテツの言葉に、うっと声をもらす。


A「そりゃ…戦うよ。」

コテツ「へぇ…自来也よりも強い奴等にかァ?はっきり言う、お前だったら死ぬぞ。」


コテツの言葉は、私も考えていたことだ。自来也様に勝つほどの力…人数も恐らく多い。


勝てる自信はない。


私は、コテツの頭をワシャワシャと撫でると目線が合うように身を屈める。


A「ごめん、コテツ。私は戦うよ…里を守らなくちゃならないし、私は上忍だ。それに…」


約束もした、


A「カカシと絶対に死なないって約束したから。だから、敵のところに連れてって?」


少しの間、私とコテツの視線が絡み合うとチッとコテツが舌打ちをした。


コテツ「なーにが約束しただ、それで死なねェとは限らねぇじゃねーか。お前の口寄せ動物なんだぞオレは。」


そう言うコテツの顔はどこか悲しそうだ。


コテツ「お前、やっぱカカシのガキに惚れてんだろ。約束ごときでそんなバカふつーはしねェ。俺ァ情に弱いんだぜ、知ってたのかァ?」

A「……知ってるよ、子供の頃からの馴染みだ。心配してくれてありがと、コテツ…。」


私はもう一度、今度は丁寧にコテツの頭を撫でるとこちらを見つめる。


コテツ「俺にも約束させろ、絶対死ぬんじゃねーぞ。」

A「分かった約束する。コテツ、案内してくれ。」


そう言うと、コテツは私に背を向けると走り出した。

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作者名:エビ猫 | 作成日時:2018年10月13日 13時

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