【あんスタ】何が不満か言ってみろ【巴日和】 (ページ4)

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「呆れたね…テレビとか見ないの？
せっかくネットで手軽にぼくみたいなキラキラした存在を見れる世の中なんだから有効利用するのが賢いねっ、
まあでも今は目の前に本物がいるんだから必要ないけどね！」

「こんな自分大好きマンを見て喜ぶ人がいるなんて物好きな世の中だ。
あと…私テレビとかみないから…。」

「君の事情は知らないけどねっ！
つくづく癇に障る発言は控えてほしいね！
きっと僕の方が優れているから
敬語が使えずともやっぱり敬うに値する存在だとぼくは思うね！」

「その能天気さ、羨ましい。」

「なんか違う！」

「はあ、そろそろいいっすか？
程々に情報説明してもらっても。
今踏み込んでる以上の沼に沈むつもりは無いんで、おひいさんに拾われた経緯まで、
よければ話してください。」

「…楽園を求めて、
家を飛び出し…歩いていたら雨が降って、
あの家以外なら雨に打たれるのだって気持ちいいなって思って、…そしたらこいつがきた？」

「ごめんなさい、馬鹿にもわかるようにもう少し詳しくお願いできますか？」

「家族が嫌だった、ずっと。完璧を求めてくるから。笑顔すらも怖い。
だから息抜きで夜遊びとか下手したら死んでしまうような危ない事もした。
でもそれがバレて、たくさん殴られた。
……だから私を救ってくれる別の家がないかフラフラ彷徨ってみた、
血が繋がっていなくても暖かく迎えてくれる場所だったら他のどこでも良かった。」

「家出ですか。
さっきの傷はそういうことっすね。
で？どうしますおひいさん。」

悲壮になっていたのか下がっていた顔を上げるととても冷たく微笑む日和が目に入った。
それに少しゾッとする。

「うん！準備ができたらお家に送るねっ」

「……いいんすか？」

「あははっ、さっきと言っていることが違くておかしいねジュンくん。
もしかして家族がいなくてひとりぼっちなんじゃないかと思ったけど違うみたいだしねっ！

ぼくらはみんなに愛を注いであげる存在ではあるけど、それは彼女のことを大切に思っている家族から彼女を奪うのは違うからね。
ふふっ、自分でも驚いちゃうくらい君にはガッカリしたね？」

「いいよ？楽園も見つからなかったしずっと空虚感しかないんだ。
がっかりされたって言われても何も思わないような、機能が停止した心ならきっとあの生活にも適応はできるんだろうし…」

部屋の気温がひやりと下がったような感覚の中
日和が再び口を開く。