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じゅうよん。 ページ15

カノside


「…Aちゃん…!」

息が途切れる。

込み上げてきた涙で視界がぼやける。


それでも、

そんな事は気にならないくらい走った。

Aちゃんの病室へと。


数分前、いつものように病院に行こうとした僕に

一つの連絡が入った。


Aちゃんの心拍数が下がっている

もう心臓が止まってしまうのは

時間の問題、と。


周りの目を気にしている暇なんてなかった。

自分でもこんなに早く走れるのかと驚くぐらい

全速力で走った。


お願い、生きていて。

桜野様、と書かれた病室の扉

もう何度か開けたその扉を勢いよく開けた。


「Aちゃん…!」


点滴のチューブをつけたAちゃんの周りには

看護師さんや医者がいた。


僕に気付いたAちゃんは少しだけ顔を上げて微笑んだ。


そばに駆け寄ると

看護師さん達は申し訳なさそうに顔を伏せ

病室から出て行ってしまった。


『しゅうや…来てくれたの…?』

「だって、Aちゃん…。』


ゆっくり、ゆっくりと喋るAちゃんに

僕は上手く言葉を発せなかった。


『もう、ダメみたい…。』

「そんな…。」

『ねぇ、しゅうや…。』


Aちゃんが握った僕の手に

体温が伝わった。


『ありがとう。しゅうや









大好き。』


Aちゃんは最期

笑顔でそう言った。


閉じた目がもう開く事はなかった。


Aちゃんの手からだんだん体温がなくなって

冷たくなっていった。


「僕だって…大好きだよ。Aちゃん。」


溢れた涙は止まらなかったけど

それでも

Aちゃんが最期に残してくれた笑顔の様に

僕も笑顔で

Aちゃんにそう伝えた。

じゅうご。→←じゅうさん。


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黒猫RIRI(プロフ) - うさたまさん» コメントありがとうございます。切ないお話、なかなか難しくって…(笑)そう言って頂けて嬉しいです…!未だ未だ未熟ですが、涙をながしてくださったなんて励みになります。頑張ります! (2017年10月17日 22時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)
うさたま - う、うぅ。キーボードを打つ手が涙で見えない・・・ 切ないとはこういうことだなと、涙をながしました。これからも頑張って下さい。 (2017年10月16日 19時) (レス) id: 216409e55b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫RIRI - うりあんさん» ありがとうございます!切ない系の小説が書きたかったので、そう言って頂けて嬉しいです。私なんかの小説に泣いてくださったなんて…。頑張ります!励みになります! (2017年7月17日 12時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)
うりあん - うわぁぁぁぁぁぁん!って大声で泣きかけた。(実際泣いたけど……。)こんなに泣ける小説は久しぶりにみた。これからも頑張ってください!応援してますから! (2017年7月15日 0時) (レス) id: edb7cb8e42 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫RIRI - あんずさん» 私なんかの小説に泣いてくださってありがとうございます!まだまだ未熟ですがこれからも頑張ります!此方こそ、読んで頂いてありがとうございました。「赤い金魚」と「信じて、キスして、抱きしめて?」は今後読ませてもらい参考にさせて頂きます (2017年5月29日 21時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫RIRI | 作成日時:2017年2月25日 21時

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