暗闇に手を伸ばす【影片みか】 (ページ13)

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第九話ページ13

A「......！！なにこれ、おいしい...！！！」

レオ「だよなー！！」

A「もう一つ食べたい...」

司「そうですね！....ですが、残りは1つしかないようです...。」

レオ「それなら、ジャンケンしよう！ジャンケン！！最初はグー！！」

凛月「ちょっと待って、それ俺のなんだけど」

さっきまで寝ていたはずの凛月が急に起きた。

レオ「え～。」

A「....お願いだ、凛月。くれ。」

凛月「だぁめ...おとなしく次作る時を待っててねぇ...」

司「...まあ、凛月先輩の分のsweetsなら仕方がありませんね。
　また次の機会を楽しみにしておきましょう。」

A「....まあ、そうだね。仕方ない仕方ない。」

凛月「ところでAさ、」

だから話の切り替え方よ。

凛月「俺といつ初めて会ったんだっけ？」

A「え？えっと...4月の半ばくらい...？」

司「確かそのくらいの時にアイドル科にAさんが来たんでしたっけ。」

私はもともと普通科だった。

アイドルを見に行きたいという理由で夢ノ咲に入ったというわけではないということや、

かなり学校(普通科)に貢献していたことなどが理由で誘われた。

後者の理由の方が強いらしい。

それでアイドル科の女性アイドルのテストケースとして入ることになった。

ありえない話だと、今でも思う。

どうしてこんな私がアイドル科に入れたんだろうか？

もっと適している子やかわいい子はたくさんいるというのに。

それが不思議で仕方ないけど、少しだけ楽しいと思えているから来て良かったとは思う。

...でも、私はアイドル科。

つまり、アイドル科にいるアイドルのファンの女の子は黙っていられないだろう。

何かいろいろ言われたり、酷かったらいじめられたりしていたかもしれない。

頑張って人を避けながら学校に来ている。

凛月「そうそう。女性アイドルのテストケース、だったっけ。
　でもなんで4月半ばからだったの？」

A「.....」

今は5月の終わり頃、なんだけどな。

熱中症にはまだ早いのに...まあ熱中症じゃないんだろうけ...ど...

フラフラする...ダメだ...ああ...

急なめまいに襲われて、倒れてしまった。