暗闇に手を伸ばす【影片みか】 (ページ2)

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第一話ページ2

なんとなくベンチに座りながらゆっくりしたくて、屋上に行く。

今日は少し曇っているけれど、暑くも寒くもなくてちょうどいい。

階段を上がり、屋上のドアを開ける。

知らない人がいたら気まずいな、と思いながら足を踏み入れた。

すると
少し離れたところに、

危ないところに立っている少女がいた。

「…！？」

気づいたら、その少女の方に手を伸ばしていた。

？「え……？」

「何してるん！？危ないで！」

？「離してください……」

「おれが離したら落ちるやろ…！？」

？「お願い、離して。やめて…」

「いや、離さへん…！！」

そう言って、思いっきり自分の方に少女を引き寄せた。

？「わあっ…！？」

「っ…！」

二人で倒れそうになり、急いで少女を抱きかかえる。

？「…！」

バタッ

「……あ、あぶなかったわぁ…
大丈夫？ごめんなぁ、ケガとかしてへん…？」

？「大丈夫…」

少女は少し震えていた。

「震えてるで…？やっぱり痛いところとか…」

？「ないから。大丈夫だから…」

「せ、せやったらええんやけど…」

強めに「大丈夫」と言っていたが、小さく震えているように見えた。

なんとなく放っておけなかったのでそばにいてあげた。

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震えがおさまったように見えたので、危ないところに立っていた理由を聞いてみたくなった。

彼女からしたら聞いてほしくない内容かもしれないけれど、相談に乗ってあげたくなったので思い切って聞いてみることにした。

「こんなこと聞いてごめんな、嫌なら答えなくてええんやけど…なんであんな危ないとこに立っとったん？」

返事はすぐに返ってきた。

？「死にたかったから」

「なんで…？仲良い友達とか、大切な人とか…おらんの？その人たちのことは考えたん？」

？「っ……いたよ！いたけど、いたけどっ、！
　 …………なんでもない」

「…？」

聞かないほうが良かったか、と慌てていたら少女は走って行ってしまった。

もし今度会ったら謝らないと…。
そう考えながら自分も教室に戻った。