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準備期間/3 ページ9

引っ張られた勢いでよろめいて、咄嗟に扉のドアノブを掴んだ。ドアノブを引いたせいで、扉が勢いよく閉まる。と、同時に結局私は横向けに倒れこんだ。

「いったぁ……何この怪奇現象……?」

確かに、扉から伸びてきた謎の手に部屋に引きずりこまれるっていう展開は一度は経験してみたかったけど!

と、掴まれていた手が離される。薄暗い部屋の中から声がした。

「怪奇現象って、失礼〜……」

「なんだリッツ先輩か」

目をこすりながらそう言ったのは、よく知る先輩だった。
なら怪奇現象じゃないね。いや確かにリッツ先輩は怪奇現象っぽい動きするけど。

「ってリッツ先輩、私たち話しちゃ、え!?いやうんダ、え!?」

「ちょっと何言ってるか分かんないし慌てすぎ。別に、バレなきゃいいんでしょ〜」

俺は姿を見せてないし、Aがここに入るの(ただしくは引きずりこまれるだけど)は誰にも見られてないでしょ、と彼は欠伸混じりに言う。確かにそうかもしれないけど、適当すぎない……?折角別れた意味なくないかな……!?

うぅん、と悩む私に、「それに、伝えたい事があってさ」と凛月先輩は真顔になった。

「寝てたら端末無くしちゃって端末で連絡は出来ないし、他の『knights』のメンバーは忙しいし」

「あ、ライブに出ることになったからですか?」

そう言うと、彼は赤い目を珍しく大きく見開いた。なんだ知ってたの、と言う彼に、「さっき会長から聞きました」と報告する。

「へぇ、じゃあタッチの差だったんだね。俺らも、王さまから聞かされたのは今日でさぁ?だから、セッちゃんたちはライブのために慌ただしく走り回ってるわけ」

「……リッツ先輩は何を?」

「俺は英気を養ってるの」

「何もしてない!!」

唖然としていれば、彼は誤魔化すかのように手をぱんぱんと二回打った。

「それより。なんか、悩み事?エッちゃんになんか言われた?」

顔がおかしいよ、と心配そうに……いや待っておかしい??暗い、とかじゃなくて???

まあとにかく、心配してくれてるんだろう。素直に、いつニナのことを話せばいいか迷っていることを打ち明けると、凛月先輩は静かに顎に手をあてた。

「そうだね、パニックになることを考えるなら前に言うのはやめといた方が良いかも。でも、言わなかったらライブ中になにかおこる確率も……」

そう言って、凛月先輩は考えこむ。こういう仕草は朔間先輩に似ているな。でも言ったら怒るから黙っとこ。

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べベンべエエェェ - また戻ってきました!この作品がお気に入りになってどの小説の設定も星川、というのを使わせて読ませてもらってます!ありがとうございます! (2022年6月9日 23時) (レス) @page29 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - またニナが足を洗って帰って来てほしいかなと思います。続編が出来たらとっっっっぅても嬉しいです (2021年8月4日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 面白すぎて2日で読み終わりました……。(続き気になりすぎて2日とも5:00くらいまで寝れなかった)寝る前に読んだの後悔するくらいおもしろかったです…! (2021年7月29日 3時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
髪様 - ゆうさんと同意見です,完璧ですわあ、、、、 (2020年5月8日 11時) (レス) id: a311e75dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - なんだろう、なんて言えばいいかわかんないんですけど...完璧な小説でした (2020年4月25日 18時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめだいふくもち | 作者ホームページ:http://ない  
作成日時:2017年7月8日 20時

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