【あんスタ】革命する騎士と終演の姫君(7)

騎士と姫君/0 ページ49

それから一ヶ月後＿＿＿＿。

「ライブお疲れ様！でしたー！！」

いぇえい、と歓喜の声を上げながら飛び跳ねると「ホントこいつやばい」と遠慮のかけらもない瀬名先輩の声が飛んできた。失礼するよねセッちゃん先輩、嬉しかったら飛び跳ねるのが(私の中の)常識なのに！

「本当にお疲れ様。にしてもあっという間だったわねェ……。この衣装気に入ってたから、もう着ないと思ったら名残惜しいわァ」

鳴上先輩がふう、と艶っぽく溜息をつく。彼が着ているのは、私があんず先輩に教えてもらったことを生かして初めて最初から最後まで自力で作り上げた衣装だ。だから、そう言ってもらえると頰が緩む。

「ありがとうなるお姉ちゃん！それなら部屋着にしよ！」

「あらカワイイ♪だけど部屋着はちょっと向かないんじゃないかしら……」

「アホの権化ですよね」

「司くん今なんて言った？？」

何も言ってません〜、と目をそらす司くん。くそう、いつも私のことアホ呼ばわりして！次の衣装司くんのだけ上着の1サイズ小さく作ってやる！

「でも、無事に終わって良かったねぇ……。今回は打ち上げするの？」

次にそう言ったのは、凛月先輩だった。ライブ後はいつも死んでるリッツ先輩、今日は清々しい表情をしてるから珍しいな。

「はいはーい！！私は打ち上げは焼肉が良いです！」

「えー、また焼肉？」

別に良いけど、と微笑した凛月先輩の発言に反応したのは月永先輩だった。脱ぎかけの衣装もおざなりに、彼は私の真似をしてはいはいと手をあげる。

「じゃあおれはセナんちで闇鍋推奨っ！」

「あ、リーダーさんそれ良いですね！星川Aもそれに一票入れます！」

「は？なんで俺の家なの？却下、やるならAの家」

「ていうか闇鍋はOKなのね……？」

半笑いで言う鳴上先輩に、凛月先輩がふっと吹き出した。続いて司くんが闇鍋とは何ですか、と質問してきたから、面白い考えが浮かぶ。

「司くん、闇鍋っていうのはね、チョコとか苺大福入れてもいいんだよ」

「えっ、それは本当ですか！？」

「間違ってないけど余計なこと教えない！」

瀬名先輩にぱしっと軽く頭を叩かれ、さらに笑い声が巻き起こった。「ならおれはその甘さを中和するためにキムチ入れる〜♪」「あは、王さま面白〜い……なら俺はコーヒーで苦味をプラスする」「さすがリッツ先輩、料理のプロ！」「……アタシ欠席しようかしらァ……」このドタバタ加減が、いつものknightsだ。


楽しくてまた笑うと、「何ニヤニヤしてるんですか」と容赦ない言葉が聞こえた。……まあこれも、お約束ってことで！




end.

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