ざまあみろよ/1 ページ25
……いや、さすがに扉蹴破るのは不味いでしょ。
ニナファンクラブによって空き教室に閉じ込められた私。前も閉じ込められたよね、本当に懲りないよね。
……はやくここから出ないと。
どうするか迷っていて1時間はたっただろうか。瀬名先輩たちにも危機感を持てって言われたし、こんな場所で大人しくしているわけにはいかない。衣装も見つけなきゃならないし、みんなのところにもいかなきゃ。しかし扉の外には見張り。
なら無理矢理扉を蹴破って、その勢いに任せて逃げるしか____とまで考えた私を、脳の片隅の1パーセントぐらいを支配しているまともな自分が引き止めてきた。
よく考えて、A。さすがに男数人にアタシ一人じゃ勝てないわよ____ってなんで脳内の私こんななるお姉ちゃんみたいな口調なの?
頭の中のなるお姉ちゃん風の私が必死に引き止めてくるけれど、一刻もはやくここから出るにはそれしか手がないのだ。
勝てない、なんて決めつけたくない。だってやってもないのに結果がわかるわけないよね!……扉を壊すことに関してはもう仕方ないことだから大人しく後でお説教受けます。
「そうと決まれば〜……」
助走をつけるために後ろに下がる。さあA選手、これからの命運をかけた勝負に出ます__。
なんか頭の中でかっこいいモノローグ流したらいける気がする。そのノリのままで、私は勢いよく走り出して扉を蹴破ろ____うとした瞬間、扉が開いた。
「「えっ?」」
私の声に、もう一つの声が重なる。視界は真っ白に曇っていて、何も見えない。その視界と同じく頭が真っ白になった瞬間、助走の勢いを殺しきれずに何かにぶつかった。
そのまま、ぶつかった何かと共に床を転がる。待って、この感触は……人?ということはファンクラブの奴!?
焦って顔を上げると、私の下で目を回しながら呻いていた群青色のもしゃもしゃした髪が目についた。
「つ……むつむ先輩?」
うぅん、と呻き声で返事をしたのは青葉先輩。いや、何故ここに?
しかも私のいた教室周辺が白い煙でつつまれていて、その煙の中では……多分、ファンクラブの人たちがぎゃあぎゃあと慌てふためいている。
どういうこと、と漏れた私の疑問を拾ったのは、ずれたメガネを直しながら起き上がった青葉先輩だった。
「俺たちは、君を助けに来たんです」
『____そうだよ、機は熟した』
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べベンべエエェェ - また戻ってきました!この作品がお気に入りになってどの小説の設定も星川、というのを使わせて読ませてもらってます!ありがとうございます! (2022年6月9日 23時) (レス) @page29 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - またニナが足を洗って帰って来てほしいかなと思います。続編が出来たらとっっっっぅても嬉しいです (2021年8月4日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 面白すぎて2日で読み終わりました……。(続き気になりすぎて2日とも5:00くらいまで寝れなかった)寝る前に読んだの後悔するくらいおもしろかったです…! (2021年7月29日 3時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
髪様 - ゆうさんと同意見です,完璧ですわあ、、、、 (2020年5月8日 11時) (レス) id: a311e75dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - なんだろう、なんて言えばいいかわかんないんですけど...完璧な小説でした (2020年4月25日 18時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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